「DOPESICK 」。
アメリカで現在大問題になっている「オピオイド問題」を扱った、ドキュメンタリーと言える取材記録の本。
なお、「アヘン」を英語で「opium(オピウム)」と言うが、オピオイドとは「合成アヘン 」のこと。
日本に住んでいるとほぼ情報を得ることはないが、アメリカで2020年現在いまだ解決する目処が立たず、拡大中の問題である。
一言で言うと、「麻薬問題」。
しかし、罹患者が自ら快楽のために麻薬を選んだというよりも、パデュー・ファーマという製薬会社が意図的に市場を拡大した「オキシコンチン」という鎮痛剤に依存性があり、その依存性が元で「オキシコンチン → ヘロイン → フェンタニル → メタンフェタミン(メス)」とさらに強い依存性を求めて麻薬中毒になっていく。
病院から処方された鎮痛剤であるオキシコンチンが元で、中毒者に落ちていくのである。こんな酷い話はない。
私は日常生活で病院に行くことはないが、仮に病院に行って医者に「この薬を使って」と処方されれば普通に使ってしまうだろう。
これが依存性のある麻薬だったら、防ぎようがない。