次のその政治の問題だ。
最近は官僚がすべての諸悪の根源で、官僚組織さえ変えれば全ての問題が解決するのだ!!みたいな単純な論調がそこかしこに見られる。たしかに官僚組織も制度的に腐っているので変える必要はあるけど、政治家にブレーンがいないのが一番まずい状況ってのがこの本で理解できた。
官僚ってのは要するに「政策エリート」だ。
何かしら政治主導で行わなければいけない案件があった時に、そのプランを考えて時には実行もする。
その役割自体は当然必要で、頭の良い(偏差値が高いって意味ではない…)エリートがその役割を担うのは当然だと思う。
政治家はその方向性を決めるだけなので、細かいところは官僚任せになるのも仕方ない。
問題は、その官僚に対抗するカウンターパートがいないことだ。
海外では普通に存在する、政策シンクタンクや政策NPO団体、政策秘書官や、知識人や大学教授などの一般エリート層がほとんど無いため、官僚の政策を「これはこの省庁のこの権益を守るためにこんな風に政策がたくみに盛り込まれてまっせ」と政治家に助言(ロビーイング)できるだけの勢力が存在しない。これが一番まずい。