いつのまにか心を操縦する技術

前田大輔さんの著作。

前回読んだ「即効「魅惑術」」に続き、心理学の本。

文章はすごく簡単だし、ページ数も少ないのだが、ちょっと構成が分かりづらい。

章は綺麗に分かれてるが、章の各項目がちょっと章の内容に対してちぐはぐな感じがした。

目次は以下の通り。

第1章 心を操縦する魔法「催眠」とは何か?
第2章 心、無意識、記憶のしくみを理解する
第3章 暗示、メッセージを入れるテクニック
第4章 暗示を解き、正しさを見極める

「催眠」とは、理性が低下した状態=「変性状態(トランス状態)」に誘導すること、というのは初めて知った。

また、「暗示」はあくまで高度な「提案の技術」というのが面白い。
これは、ちょっと前に読んだ「論理で人をだます法」に書いてあったことと通じる。

「感情を悪用して理性をごまかす」方法や「プロパガンダでの煽動」などはこの良い典型。
つまり、「理性」「感情」「本能」という3つのバランスは通常「理性」が「感情」「本能」を従えているが、「理性」を低下させてこのバランスを崩し、「感情」優位や「本能」優位にしてしまうことが、「論理で人をだます方法」=「暗示」ということか…なるほど。

人に納得してもらうには、理性的(論理的)に説明するだけではなく、時には理性をごまかすような手法を使い、いつのまにか「YES」と言わせるよう誘導してしまうのも、説得手法としては有効ってことか。。

よくテレビで催眠術師がやってるように「催眠状態」にしてから「暗示」をかけなくても、理性(判断力)を低下させる、つまり「考えさせない(思考停止)状態」に誘導することは、「常識」などを使えば割と簡単に出来てしまう、というのも面白い。知らぬ間に「催眠」にかかってるようなもんだ。それだけ日常には様々な「暗示」が溢れてるってことか。

「常識→疑わない→信じ込む→常識…」という無意識化する順序のことを「催眠サイクル」と呼ぶらしいが、この「催眠サイクル」に陥ってる=「暗示にかかっている」状態とのこと。

1種類の新聞だけ見たり、テレビばかり見てると危険、と言われるのも同じ理屈。
この新聞の言ってることは正しい、テレビの言ってること(=「常識」)だから正しいはずだ、と無意識に感じてしまうので。

彼女があのテレビを買ったわけ」という本を読んだとき、人は無意識レベルで「視覚」「聴覚」「触覚」のうち優先する感覚が決まっているということを知った。

これを心理学では「表層システム」と呼ぶらしい。
なるほど、心理学的な裏付けもあったわけだ。
(やっぱり、マーケティングを学ぶ上で心理学は避けて通れないな。。)

ちなみに、「気が合う人」というのは、この「表層システム」の中で重視する感覚が一緒の人らしい。

これすっげー面白い。今後色んな人と会う中で、不思議と気が合う人がいたら、ちょっと確認してみよう。

「常識」同様、「信念」や「期待」も、それが凄く強いエネルギーだけに、「暗示」に利用できるみたい。
要するに、「自分の無意識を疑う」ことで「暗示」から逃れられるってことか?(まぁ、あまり疑い過ぎてもキリが無いけどね。。)

逆に、自己暗示をかけるとき、無意識に刷り込まれた「期待」や「信念」などを使い、トランス状態に持って行くこともできるってことだ。

しかし、やっぱり心理学は面白いなー。

この本は2003年発行なので、ちょっと情報が古いはず。
マーケティングを学ぶ上で心理学を一緒に学ぶのは欠かせないってのは何となくわかってきたので、良い機会だし、最新の心理学系の本をまとめ読みしてみようかな。

このブログ読んだ方で、オススメの心理学の本あったら教えてください。

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