彼女があのテレビを買ったわけ

木田理恵さんの著作。

女性マーケティングのプロデューサーでもある著者が、女性がモノを購入する際に感じているであろう要素を、わかりやすく分析している。

自分はまだマーケティングに携わる仕事はしていないが、今後その分野へ進み、経験を積みたいと考えている。
その際に、事実上家計の財布を握っている女性心理を理解することは、身につけるべき必須のスキルだと思っている。

本の目次は以下の通り。

第1章 男女の買物行動
スペックにこだわる男性、イメージにこだわる女性  勝負にこだわる男性、共感したい女性  結果がよければいい男性、買い方にこだわる女性  あなたの買物価値観は?

第2章 モノが売れない時代
どうしてモノが売れないのか?  消費の鍵を握る女性  二極化する買い物  「売り方」次第でモノは売れる

第3章 女ごころを掴む8つのキーワード
キーワード1 【幸せ】  キーワード2 【育む】  キーワード3 【選ぶ】  キーワード4 【共感】  キーワード5 【誠実】  キーワード6 【特別】  キーワード7 【ご褒美】  キーワード8 【学ぶ】

第4章 女ゴコロをつかんだ注目商品
ディズニープリンセス  ネピア鼻セレブ  Wii  大地宅配  ABCクッキングスタジオ

第5章 五感
女性は五感に優れている  感情を揺り動かす”五感”  ”五感”を刺激するしかけ

第6章 企業の女性視点マーケティング
活躍が期待される女性マーケター  デキル女性マーケターになる!  デキル男性マーケターになる!

付録 女ゴコロをつかむ習慣

1章の「男女の買物行動」で男性と女性がそもそも全然違う視点でモノの購入を決めることを説明する。

読めば納得。いちいちその通り。しかし、これは男ではなかなか書けない。
女性がその経験を裏付けして書いているからこそ、簡単な文章でもこれだけ納得できるんだと思う。

5章の五感に関しての考察は素晴らしい。
女性は五感がすぐれており、「視覚」「聴覚」「身体感覚(触覚/味覚/臭覚)」の五感を通してココロを揺さぶられ、購入を決意する。しかも、無意識で重視している感覚が人により異なっており、何を重視するかで話す&書く言葉、使う言葉も以下のように異なってくると著者は言う。

視覚
「話が見えない」「見比べる」「目を通す」「イメージを描く」など。 自分がイメージした映像を細部にわたって言葉で伝えようとするので、話が長く、話すテンポも速くなる。

聴覚
「耳に入らない」「聞き覚えのある」「聞こえがよい」「調子がよい」など

身体感覚
「つかめない」「頭に入る」「腑に落ちる」「感じる」「しっくりくる」など。 体に感じる感覚や気持ちなどを表す言葉をよく使う。感じたことにしっくりくる言葉を選びながら話すので、話すテンポは必然的にゆっくりになる。

重視する感覚で使う言葉や表現が変わるって「感覚」はすごく面白い!!
自分自身、「視覚」「聴覚」「身体感覚(触覚/味覚/臭覚)」のどれを一番重視して話すタイプか考えさせられた。

考えた結果、自分は「視覚」重視。
何かを頭の中に思い浮かべるとき、イメージから入る事が多い。
意識したことないけど、たしかに「視覚」重視の言葉を使うこと多いかも。。

書く文章について、今までそういった視点で考えたコトは無かったが(これも「視覚」重視の表現だな(笑))、これからは意識して、「思う」とか「感じる」とかの感覚重視なコトバを使ってみて、実際に考えて生まれたコトと、単に感じているだけのコトを、しっかり意識して使い分けながら文章を書いてみようと思う。

それに気づかせてくれただけで、この本は自分にとって「特別」な本。

男女問わず、マーケティングに興味ある方はぜひ読んでみるべき本。

そして、日本社会の中で、一人でも多く、女性に理解ある上司を増やすことに貢献してくれればと切に願う。

今のところ「彼女があのテレビを買ったわけ」にコメントは無し

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