山崎養世さんの著作。
山崎さんの著書は、以前「米中経済同盟を知らない日本人」という本を読み、ブログでも書いたことがある。
山崎さんの主張は、以前から一貫しており、「高速道路無料化」の一言に尽きる。
今回の本でもそれは変わらず、何故無料化なのかというその「理由」と、現在何故無料になっていないのかという「原因」、さらに無料化を行った場合どれだけ国民生活に希望と活力が生まれるか、その「結果」をとても簡易でわかりやすい文章でまとめられている。
目次は以下の通り。
序章 道路の何が問題なのか?
第1章 日本経済は生活習慣病
第2章 日本の道路を歪めたのは政治
第3章 道路公団民営化は破綻する
第4章 高速道路無料化こそ道路問題の答え
第5章 日本列島快走論
第6章 道路から日本をなおす
今まで自分がよく知らなかった情報としては、「道路公団民営化」の意味とその現状について。
小泉改革で行われた道路公団の民営化。
「郵政民営化」同様、官から民へ、中央から地方へという立派な「お題目」だけ掲げられて実施された改革は、結末として回復不能なほどのダメージを各分野に残す「格差」を生み出して終わった。
道路に関しては、格差という結果には結び付いていないが、40兆円もの借金を「高速道路機構」というペーパーカンパニーに移し替えて、見た目上は黒字化し、借金返済の責務を事実上免除された各「高速道路会社」。全く何一つ責任を取るつもりが無い体制。結局民営化をしたところで、将来残る借金は全て国民負担になるだろうことが、この本を読めばよくわかる。
現在国会では、今後10年で68兆円くらい予算を使って新たな道路を作るか、ガソリン税を廃止して道路特定税源を一般財源化するか、双方の主張で自民党と民主党がもめている。この本読むと、いかに無駄な時間を費やしているかがわかる。どっちの案も何の解決策にもならん。そんな余裕のある状況なのか、今は?
構図を図式化すれば実に単純。
これが理解できないのは、相当頭が悪いと思う。
仮にも国会議員、そこまでバカは居ない(中には居るけど。。)と仮定して、では、何故そんな頓珍漢な主張をしているのか?と言うと、「政局争い」という答えしか出てこない。
この本には、高速道路の問題点と解決策が全て書いてある。
実際問題、解決策は山崎さんの案しか無いのは明白じゃないか?
民主党は2003年に、次の内閣の「国土交通大臣」に山崎さんを指名した過去がある。
なのに、何故この人の案に乗らないのだ??小沢代表や官直人代表代理が、また妙なコトを言い出しているのだろうか?
自分は以前著書を読んだときから、山崎さんの考えに100%賛同。
高速道路無料化については何の異論も無い。
鳥取という地方出身者でもあるので、地方と都市の血脈を活性化させるこの高速道路無料化は、何より望むところである。実現されれば、実家で暮らすという選択肢が生まれる可能性が高くなる。そうすれば、実家で一人暮らしの母親とも一緒に暮らすコトが出来るし。
この案を官僚を説得して実現できない、まして無駄な政局争いばかりしている政治家は情けない限りだが、何より情けないのは、我々国民だ。
その政治家を選んでいるのは誰あろう、我々なのだから。。もっと政治について真面目に考える必要がある。うちらの持ってる選挙権は考えている以上に効果も影響力もある権利なのだから。
今の高速道路について少しでも問題意識を持ってる人は絶対にこの本を読んで欲しい。
山崎さんも危機感を抱いているように、想像以上に日本改革の猶予期間は短いし、やらなきゃいけないコトは多い。
まずは事実を知ることから始めよう!!