論理で人をだます法

ロバート・J・グーラーさんの著書。

前回の「新聞社」同様、本棚に眠っていたのを引っ張りだした本。

せっかく興味を持って買ったモノなので、再度自分の中の「読みたい度」を高めることで、今回はしっかりと読み終えてやることができた。

概要は、タイトルにあるような「論理で人をだます方法」が書いてあるのではなく、「論理の正しさ」と「内容の正しさ」は全く別もので、「正しい論理」をいくらでも悪用可能だということを、たくさんの例文を元に解説した、ある意味「辞書」のような本。

議論(会議)で内容をはぐらかされないようにするため、また、自分が議論の本質を見失わないようにするため、かなり有益で役に立つ実用書だと思う。

目次は以下の通り。

日常は意味のない会話にあふれている
感情的表現(1)—人を丸め込む
感情的表現(2)—人を扇動する
感情的表現(3)—ほのめかしをうまく使う
番外編 論理のごまかしを見分ける
無関係な話を持ち出す
話をそらす
あいまいさと不正確な推測
混乱と不正確な推測
原因と結果の混同
単純化しすぎる
まちがった比較や対比
はぐらかし
番外編・何のための議論か、を考えよう
誤解を招きやすい表現
番外編・三段論法について
最後に

感情を利用して理性をごまかす「感情的表現」や、裏の意味を含ませる「ほのめかし」、また、無関係な話や語句のあいまいさを利用することで話は混乱し、容易に脱線する。

例文を見ていると、人がいかに「安易に結論に飛びつきやすいのか」ということがよくわかる。

また、「興味本位の論争」と「ほんとうの論争」をしっかり区別する必要があるという話は目から鱗。
人はみんながみんな、「真実を求めていない」し、「結論を求めようと論争していない」というのは、非常に残念なことだけど、認めなくてはいけない事実。

三段論法は、「結論に同意できない」ときに、話の「前提」に同意できないためなのか、前提の「使われ方」が間違っているためなのかを、しっかり区別できるとのこと。

なるほどねー、今度意識して使ってみよう。

会議で論争する必要のある人だけじゃなく、この社会に生きている人ならば、政治家の発言などはしっかり善し悪しを判断する必要があるので、「何となく良さそうだけど、実は中身のない話」を見極めるためにも、読んでおいて損の無い本である。

今のところ「論理で人をだます法」にコメントは無し

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