published by よねさん

キャズム
キャズム

ジェフリー・ムーア氏の著書。

マーケティングについて勉強&実践中の自分としては、前々からずっと読もうとしていた本で、また最近よく著書を読む勝間和代さんも大絶賛していたこともあり、本屋で勢いのまま購入。

読んでみた結論として、今のタイミングで読んでおいてほんとに良かったなーと思えた、まさに名著。あまりに面白くて2回続けて読んでしまったほど。最近読んだ本では無かったことだ。

最初に書いてしまうが、マーケティングに少しでも関わっている人であれば絶対に絶対に読んでおいた方が良い。おススメするというレベルではなく、読まなきゃダメ、と言って良いほど。

さて、本の目次だが以下の通り。

序章 ビル・ゲイツが億万長者になれるなら
第1章 ハイテク・マーケティング 錯覚
第2章 ハイテク・マーケティング 悟り
第3章 Dデー
第4章 攻略地点の決定
第5章 部隊の集結
第6章 戦線の見定め
第7章 作戦の実行
終章 キャズムを越えて

この本では、第1〜2章にある通り、「ハイテク・マーケティング」つまりIT業界に特化したマーケティングとして書かれているが、ここで展開される「キャズム理論」はどの業界でも当てはまると思う。

新しい製品が顧客に受け入れられるプロセスを、5つの顧客層で分けたこの以下のフレームワークが何より秀逸。めちゃくちゃ解りやすい。


1.イノベーター(テクノロジー・マニア)
2.アーリー・アドプター(ビジョナリー)
3.アーリー・マジョリティ(実利主義者)
4.レイト・マジョリティ(保守派)
5.ラガート(懐疑派)

この5つの顧客層の内、イノベーターとアーリー・アドプターは「初期市場」に当たり、アーリー・マジョリティ以降が「メインストリーム市場」に当たると著者は説く。

各層毎にある程度の溝はあるが、この初期市場とメインストリーム市場との間にある、一番大きな溝(キャズム)を超えるためにどうすれば良いのか?を記したのが本著と言える。

何を具体的に行うのか?は、簡単にまとめてしまうと、割とマーケティングでは伝統的な手法、STP&4Pを実践しましょうという話に収斂されると思う。

STP(セグメンテーション/ターゲッティング/ポジショニング)に4P(Product/Price/Place/Promotion)戦略だ。

まずは市場をセグメント化して攻略地点となる箇所を決め(あるニッチ市場をターゲットに決定)、「ホール・プロダクト(コア/期待/拡張/理想)」という武器(Product:製品)を作り、競争力を高めるための自社のポジショニング(ポジションステートメントや競争相手)を決定し、最適な販売チャネル(Place)を選択し、適切な価格設定(Price)を行う。

様々な実例を見ながら本を読み進めていくと、5つの顧客層を通して1つのSTP&4P戦略ではなく、各層を超えるときにはそれぞれ異なるSTP&4P戦略が必要で、さらにキャズムを超えるとき戦略をしっかりと練らないと、キャズム(溝)にはまり込み、そのまま真っ逆さまに落下していくことになることが理解できる。

また、キャズムを超えた後についても書かれており、その中でキャズムを超える前と後では組織や報酬、職務をがらりと変える必要があることが書かれているが、それを端的に表しているのが「開拓者から移民へ」という言葉だ。

大変腑に落ちる言葉だが、初期市場ではたしかに「開拓者」で良いのだ。
新しい土地を鍬一本で開拓し、種を播いて芽吹かせる。「開拓者」はひとしきり開拓し終えると、新しい開拓地へ移っていく。そして、その後で「移民」が移り住んで、開拓された土地をメインストリーム市場へと拡大させていく。

これは企業(サービス)の導入期/成長期/成熟期/衰退期というライフサイクルにも当てはまる考え方で、導入/成長期は「開拓者」タイプの人が向いているが、同じ考え方&やり方では、そのサービスを成熟させるコトは不可能で、やり方を変える必要がある。「移民」タイプの人に引き継ぐ必要があるのだ(両方のタイプを兼ね備えてる人であれば同じ人で良いが。。)。

今在籍している会社の問題点が、ほんとにわかりやすくキャズムにはまり込んでいる事だと、この本を読んで改めて認識するに至った。そういう意味でも今読んでほんとに良かったと思う。

それと、他に周りを見てキャズムにハマり込んでるなーと感じるのは、「iPhone」かな。。

これは今見事にハマっている。ただし、「iPod」もそうなのだが、「iPhone」はレイト・マジョリティに普及するとは思えない製品なので、キャズムを超えられたとしてアーリー・マジョリティ止まりなのかな?と思う。何にせよ、次にAppleがどんな手を使ってこのキャズムを超えようとするのか、「iPhone」を使う1ユーザとしても楽しみである(そういう楽しみもこの本を読むことで生まれたと言えるかな。。)。

とにもかくにも、まずこの本を読んで欲しい。
読んだ後必ず、目から鱗が何枚かは落ちること請け合いである。

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