ビッグバン宇宙論

随分と久々な更新です。

最近お仕事の追い込みで精神的に疲れちゃって、3連休中もあまり更新する気も起きなかったんです。

そんな中、夜更かしし易い快適な気候になったので、ここ最近楽しみながら1冊の本読んでました。

それが、「ビッグバン宇宙論」。

著者のサイモン・シンって人の本は、1作目「フェルマーの最終定理」、2作目「暗号解読」とほんとに面白かったですけど、この本も期待通りな出来映え。
宇宙論って今まであまり縁が無かったですけど、一挙に、ほんとに一辺に距離が近づいた気がします。

まずは古代ギリシャのお話から。
何とこの時代から幾何学を使って、地球の円の長さを測る事が出来たそうなのです。
もちろん今みたいに正確な値は出ないんでしょーけども、割と簡単な方法で測れちゃってます。

ちなみに、月までの距離も、2等辺3角形を知ってれば距離が測れるみたい。。
うーーん、幾何学って面白い。
学生のとき、こういうコト交えて教えてもらったら、もっと好きになってたんだろーなぁ…。

また、当時の宇宙モデルはやはり地球中心の天動説が常識。
普通に考えて、そっちの方が解りやすいから当たり前なんでしょーけども。。
重力という考え方や、高性能な望遠鏡などは全く無かった時代ですし。。
天体観測して天動説だと矛盾してしまうような観測結果も、あくまで地球中心の理屈で解決してしまうってのが、なんか常識ってのがどんだけいい加減か、考えさせるものがありますね。。

そして、知ってる人も多いと思いますけど、地動説はコペルニクスなどを経て、ガリレオが証明。
その後、地動説が常識になるまで18世紀まで待たなければいけなかったようです。

ここまでだと、単なる歴史の授業みたいでつまらない話だなーと思う人もいるでしょーけども、ここからの進歩が目覚ましい。ほんとダイナミックで面白い!!

まず科学者が解明しようとしたのが「光」。
光は不思議なモノですけど、たしかに正体がよくわからない。
普通に生活してても、すっごく有り難いモノだってのはわかるけど、それ以上はとても考えてみよーとは思わないです。

けど、星を観測する事により、光の速度が30万Km/秒ってこと判明(…もはやどれくらいの速度か想像も付かない)。

また光は他の物質とは違って、どんな状況であろうと、観測者に対して同じ速度(光速)らしいです。
この考えを20世紀に生み出したのがアインシュタイン。
そして、「時間」や「空間」という概念がかなりいい加減なモノであるという事を結論付けた「特殊相対性理論」から、新しい重力理論である「一般相対性理論」へ。
「時間」が相当いい加減なモノってことも衝撃だったけど(この理屈でいえば、光速超えればタイムトラベルできるってコトだもんね。。)、この宇宙が実は不安定な代物だってのが何とも不思議。

昔学生時代に、この手の物理本を読んだコトあるんですけど、当時は全然理解できなかった。
もちろんこの本が良書ってのもあるけど、数年経って理解できるようになったのが素直に嬉しい♪

科学は理論と実験の両輪が揃って、始めて法則として証明されるものらしく、アインシュタインが唱えたのはあくまで理論であって、実験(観測)は他の人が行ったとのこと(より一般的な一般相対性理論だけですけど)。
実際、宇宙モデルに関しては、アインシュタインは最初宇宙は安定してるって考え方をしてたみたいですし。。

その観測に必要な機器は、望遠鏡、写真、分光器などが発明される事によって、目覚ましい進歩をとげ、それまでわからなかった色んな事がわかるようになってきたようです。

その一つが「宇宙は膨張してる」ということ。

アンドロメダ銀河などの他の銀河は、太陽系からどんどん遠ざかってるんですって。。
つまり、最初は宇宙はある場所に凝縮してて、それがビッグバン(大爆発)によってバラバラになってしまった…ってのが、この本のタイトルにもなってるビッグバン理論なのですよ、いやー壮大な話だなーー!!

そして、元素のお話にも触れるんだけど、この宇宙では水素が9割、ヘリウムが0.9割で、残りの元素が0.1割の中に固まってる(昔授業で習った”スイヘーリーベーボクノフネ…”っていう、あの元素です)。
けど、今地球では普通に存在してる酸素や炭素など、どうやって作られたの?ってコトが長い間解明されませんでした。
これが解明されないと、宇宙モデルとしては不完全。
しかし、これも色んな人が調べた結果、ある星が崩壊して爆発する際に起こる核融合(核反応)が繰り返されると、色んな元素が生み出される事がやっと解明されました。

宇宙モデルとしては、ビッグバン理論とは別に、宇宙は安定してるって考えの定常宇宙モデルってのもあり、ほんの数十年前まではどっちが正しいか喧々諤々もめてたようです。

その後、電波望遠鏡の発明により電波銀河なるものが発見され、その銀河の分布状況がビッグバンが起こったと思われるような分布になってるコトが判明、またビッグバンが起こったのであれば存在するであろう光(電波)が検出され、次第に主流はビッグバン理論へ。。
星がバラバラな状態から1つの銀河が形成されるために必要な密度のゆらぎも1992年にやっと観測する事が出来て、もはやビッグバン理論は揺るぎないものに。。

どうやらこの宇宙はビッグバンから始まり、今なお膨張を続けてどんどん拡大しているのは事実のようです。

何となくSF小説読んでるみたいな壮大な話で、ほんとに現実の話かな?なんて思っちゃいますけど、全部実話でしかも僕らが住んでる宇宙がそういう状態だってコトを改めて知ると、夜空を見上げるときにもちょっと気分が違ってきます。。

窓から夜空見ながら本読んでて、今自分がいるこの地球から宇宙まで、過去から未来へ俯瞰で見えちゃうような凄く不思議な感覚を覚えました。。それに人間って存在が生まれたのがどれだけ奇跡的なことなのかも改めて実感を。。面白い体験だったぁー。

皆さんもぜひ暇があれば読んでみる事オススメしますよ!!
(最近、冥王星問題でちょっとだけホットな話題ですしね(笑))

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