2011年新聞・テレビ消滅

佐々木俊尚さんの著書。

佐々木さんの本は、つい最近「仕事するのにオフィスはいらない」を読んで書評書いたばかり。この本はあんまり自分には得ることがなかったけど、著者と考え方が近いというのはよくわかった。

実は、本書の方をもっと早く読みたかったんだけど、Amazonでも品切れでなかなか手に入らなかった。本屋でも見つけられなかったし。なので、やっと読めたって感じ。

本書は大変わかりやすい構成。
目次を見れば一目瞭然。

第1章 マスの時代は終わった
(「マス」の消滅「大衆」から「少衆・分衆」へ ほか)
第2章 新聞の敗戦
(ミドルメディアで情報大爆発広告業界はテクノロジー化する ほか)
第3章 さあ、次はテレビの番だ
(開局以来の赤字転落完全地デジ化と情報通信法 ほか)
第4章 プラットフォーム戦争が幕を開ける
(グーグルは敵だったかネットユーザーを唖然とさせた毎日新聞 ほか)

要するに新聞・テレビはもう終わりってことだ(笑)

正直、そんなことはわかりきってたことで、今更な主張。
この本が品切れになるくらい今になって話題になってるという情けない状況が、氏の主張が正しいことを裏付けてるようにも思える(‥おそらくはメディア関係者が購入してるって前提だが。。)。

本書が発売されたのは去年(2009年)7月だが、折しも最近2月末頃に、電通が2009年度の広告費売上を発表し、ネットが新聞を抜き第2のメディアになった。氏の本書での主張の正しさが徐々に証明されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100222-00000560-san-bus_all

時期として、「2011年」が転換期になるという主張は面白い。

消費者のこと完全に無視した「地デジ完全移行」と「情報通信法の施行」はたしかにきっかけになる。個人的にこのタイミングでテレビを捨てようかな?とも思ってる。最近テレビをモニターとしてしか使ってないし、単なるモニターとしては割高だしね。

「次世代STB」の話も、最近「アップルTV」購入した自分としては実感。大変便利なのだ。もっともこの「アップルTV」が「次世代STB」の地位を確立するとは正直思わないんだけど(笑)、方向性としてはこの延長上になるだろう。ちなみに、「アップルTV」買ってからさらにテレビを単なるモニターとして使う回数が増えてきた。

さらにiPhoneアプリを「アップルTV」のリモコンとしても使える。
このアプリはまだ使いづらいので、さらに改良&改善はされていくのだろうけども、Appleが最近発表したiPadも含めて、次世代STBのリモコン&モニターとして使う未来像を想像して製品作ってるのだろう。

今後がすごく楽しみな未来像だ。

さて、そんな未来像を支持する自分としては、新聞やテレビはとっとと消滅してもらいたい。
もう出番が終わってる登場人物がいつまでも舞台に上がっているのは、正直見てて見苦しい。読売のナベツネ氏はその象徴。自分の時代が終わってるって気づかないのだろうか??

著者との違いは、さすがに昔新聞記者だっただけあって、新聞への愛情を感じること。私は新聞は普段から読まないので全く愛着が無い。明日全社潰れたとしても何ら問題はない(記者はアメリカのAOLみたいにどこかの企業がかなりの数吸収して記事は書くだろうしね。。)。

それだけに、著者の「新聞」の現状への落胆が深いことがわかる。
仮にメディア当事者達が本書を読んでいるようであれば、プラットフォームはすでに無くなったことを自覚して、ついでにこの先給料も確実に下がることを覚悟して、その上でコンテンツプロバイダーとして「社会の木鐸」たる責務を果たす使命感を持ってもらいたいものである。

まぁ、今の40~60代のメディア関係者には100%不可能だと思ってるんだが(笑)
はっきり言ってこの世代には1ミリも期待していない。
なので、私はその次の世代に期待する。

我々の世代と、その次の世代の人たちに。。

今のところ「2011年新聞・テレビ消滅」にコメントは無し

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