未来思考 10年先を読む「統計力」

神永正博さんの著書。

氏の著書は、以前「不透明な時代を見抜く「統計思考力」」を読んで書評にも書いた。この本は大変刺激になった本で、この本読んだのをきっかけに「統計」に関して興味を持ち、現在も学習中。まだ実践でガンガン使うまでには至ってないが、次のステップへ進むきっかけを作ってくれた。なので、著者の本であればとりあえず読んでみようと思い、本書も購入。

今回は、「未来はどうなるか?」がテーマ。
手法として「統計」を使って論じている。

何を論じているかは、目次を見ればわかる。

PART1 少子化と結婚
第1章 日本の少子化、世界の少子化
第2章 結婚しません?
第3章 産む自由、生まれる義務

PART2 都市と高齢化
第4章 人はどのように動いているか
第5章 都会は強力な磁場である
第6章 都市壊滅!?

PART3 仕事と経済
第7章 仕事というぜいたく
第8章 もし世界がひとつの村だったら
第9章 日本は変わるのか

少子化や結婚問題、首都圏への人口集中と地震、雇用、公害問題など、様々な話を「統計」を使って分析している。

一応タイトルが「未来思考」なので、過去の推移からこれから先どうなるか?を予測しているわけだが、正直色んなコトに手を出しすぎて、読み終わった後、本としてちゃんとまとまっていないように感じた。

特に少子化(貧困)問題は、私はつい最近阿部彩さんの「子どもの貧困」を読んだばかりで、本書でもこの「子どもの貧困」からいくつかデータを参考にしていたこともあり、さらに薄い内容の本を読んだという気持ちを持ってしまったように思う。

一応結論的に最後のページで「足りないのは制度のイノベーション」と書かれているが、まぁ、これは今更言うようなことではないので、ちょっと結論も尻切れトンボだったんだよねぇ。。

個人的には、最後の「参考文献」でどんなデータを元ネタにしているか、このリストが一番役に立った。今後自分で資料作るときの参考にできるので。

「未来思考」と言うのであれば、何かしらテーマを1つか2つに絞って、それを「統計」的手法で深堀りし(過去-現在の裏付けを取り)、さらに未来に対しては「著者自身の哲学」を元に予測する、みたいな本にしてもらいたかったなぁー。

残念!!
次回作に期待します。

今のところ「未来思考 10年先を読む「統計力」」にコメントは無し

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