神保哲生さんと宮台真司さんが行っているインターネット番組「ビデオニュース・ドットコム」から、教育を扱った回を選んでまとめたのが本書。
基本的に、マル激の方で一度観たことのある話が多かったので、目新しさはなかった。
しかし、杉並区和田中学校で校長をされている、元リクルートの藤原和博さんや、ミスター文部省としてゆとり教育を押し進めた寺脇研さん、民主党の「次の内閣(next cavinet)」文部科学大臣でもあった鈴木寛さんなど、そうそうたる顔ぶれが、教育について語っている内容は必見。
メディアで流されている教育に関する議論が、如何に本質を付いてないかがよくわかる。
目次は以下の通り。
第1章 “よのなか”科と地域社会—民間人校長はなぜ学校を改革できたのか(藤原和博×神保哲生×宮台真司)
第2章 教育改革の錯誤—学力論争の盲点(藤田英典×神保哲生×宮台真司)
第3章 ゆとり教育は間違っていたのか—ミスター文部省が語る本音のはなし(寺脇研×神保哲生×宮台真司)
第4章 いじめをなくす処方箋—子どもたちが直面する現実から(内藤朝雄×神保哲生×宮台真司)
第5章 誰も知らない教科書検定の正体—教育はいったい誰のものか(浪本勝年×神保哲生×宮台真司)
第6章 教育基本法や愛国人は隠れ蓑にすぎない—教育行政の闇をあばく(鈴木寛×神保哲生×宮台真司)
次やその次の世代の日本を考える上で、最も重要と思えるのがこの「教育」の問題。
これはかつて皆が通ってきた道だし、子供を持てば親としても当事者になるので、問題として意識しやすい。
しかし、だからこそ、話がごちゃごちゃにもなりやすい。
重要なのは、圧倒的な「事実」と、その「事実」に基づいた「解決策」だ。
そして、明確な教育の「ビジョン」。
はっきり言ってそれ以外はどうでもよい。
「ビデオニュース・ドットコム」は、普通のメディアでは扱わないようなネタを扱ってくれるので、その「事実」を知るのに本当に役に立つ。この人達の活動と比較すると、大手マスコミなど全くお話にならない。東京以外でも民放キー局が今だ独占しているテレビを観ていても何の知見も得られない。「事実」を知りたければ、自分自身でメディアを取捨選択しなければならない(一番ダメなのは「とりあえずテレビを観る」という「意思」の無い態度か。。)。
「教育」に興味があり、問題意識を持っている人は、とりあえずこの本を観てみよう。
何かしら得るものは必ずあると思う。