小宮一慶さんの著書。
今度引っ越し予定の西宮のジュンク堂で、ふっと目に止まりそのまま即購入(前の2冊は立ち読みだったので、購入したのは実は初めて)。
小宮さんの著書は以前「ビジネスマンのための「発見力」養成講座」と「ビジネスマンのための「数字力」養成講座」の2冊を読んで、このブログにも書評を書いたが、この本は「ビジネスマンのための〜」シリーズ3部作の完結編になるのかな?
ビジネス上で発生する様々な問題を特定して「解決」するための手段を、氏が経営コンサルタントで身につけたノウハウとともに解説している。
この方の本は、最近よく読んでいる勝間和代さんの本と内容的に似ているところがあるが、お二人ともMBA取得者。さすがに考え方ややり方が似ている。6章で紹介されているコンサルタントの技は、勝間さんの本にも結構載ってたし。。
他にもMBA取得者はビジネス書を出している人が多いが、小宮さんと勝間さんは内容が非常に分かりやすい。だからこそ、突出して人気があるのだろう。
(勝間さんの場合は、御自分でとても上手くプロモーションされているってこともあると思うが。。)
さて、目次は以下の通り。
はじめに
まず自分の問題解決力を試してみよう
問題解決が仕事
枠組みによって問題を分解する
問題解決には技術が必要
実は、「何が問題か」を特定することが結構むずかしい
「解決策の策定」とその「実行」第1章 問題を特定し、優先順位を付ける
「問題」を特定する
いま、対応すべき「問題」は何か?
「事実」を「事実」として確認する
優先順位は、時間と状況によって刻々と変わる
いま、何をいちばんに優先すべきか?
「問題」を「問題」として把握しなければ、解決策も始まらない!
あなたにとっての「好ましくない現象」=「問題」は?
頭の中に、緊急度と重要度のマトリクスを持つ
重要度、緊急度を決めるには、基準が必要
論理的思考力を高める
実は重要な「問題の芽」
最強の「問題解決」とは!
ダウンサイドリスクを測る
新しい「問題」の突発でも、優先順位は変化する第2章 「根本問題」を特定する
根本問題を探り出す
問題を分解するためにロジカルツリーを使う
基礎的考え方を「ツール」として持つ
好ましくない現象=UDEを書き出そう!
UDEのポストイットでツリーをつくってみよう!
ツリーをたどって、根本問題を探せ!
ネガティブ・ループが現れるまで!
対応可能性を検討する第3章 「問題」を検証する
あなたならどうする? ケーススタディ入門編
必要な情報を収集し、分析する
直感の罠……結論を急がない
思い込みやメンツがバイアスとなる
検証の罠
それでも、最後は直感!?第4章 解決策を策定する
解決策を直感で決める前に! プロコン・リストの勧め
ダウンサイドリスクが大きいことは、慎重なうえにも慎重に!
社長であってもひとりで決めない!
ディシジョンツリーで、期待値とダウンサイドリスクを計算する
あなたならどうする? ケーススタディ初級編!
占い師とコンサルタントを分ける「仮説検証」
技は時間の節約!第5章 問題解決の実行
問題は解決しないと意味がない
実行プランを立てる
パート図を活用する
実現の要は、検証と検証の責任者!
人を動かす
「意味」より「意識」第6章 問題解決、コンサルタントの「技」
解決力の三つのポイント
基本中の基本、マーケティングの5P!
お客さまの視点で分解、4CとQPS
天橋立のAIDMA(アイドマ)は?
欲求が高まらない原因を探せ!
AIDMA、メルセデスベンツの戦略は?
SWOT分析で、強みと弱みに対するコンセンサスを持つ
PPMで資源の配分の仕方を検討する
ABC分析のほんとうの使い方を知っていますか?
レーダーチャートで、「見える化」する
ボトルネックを特定する
重要なもうひとつのツール ケーススタディ中級編
会計と経済の基礎を知る第7章 問題解決を妨げるもの 解決力を高める習慣
問題解決を妨げるもの1 思考の停止
問題解決を妨げるもの2 時間不足
問題解決を妨げるもの3 経験不足
問題解決を妨げるもの4 経験・常識によるバイアス
問題解決を妨げるもの5 権威・肩書き
問題解決を妨げるもの6 事なかれ主義
解決力を高める習慣1 「なぜ?」「ほんとう?」「それから?」
解決力を高める習慣2 常識を働かせる
解決力を高める習慣3 常識を疑う
解決力を高める習慣4 常に考える
解決力を高める習慣5 価値観に基づく直感あとがき
内容については、細かく分析する必要はない。
目次を読めばだいたい分かる(笑)
ほぼそのままだし、それぞれ載ってる単語を既に知ってる人であれば、おそらく本文を読む必要は無い。
非常に上手い見出しが付けられていて、解りやすい構成の本である裏返しではあるのだが、その辺りを踏まえて本屋さんで目次をまず読んで購入を考えた方が良い。
しかし、本自体は読みやすいし解りやすいので、例えば新入社員がビジネスのやり方を学ぶには最適。この3部作をまとめて読むと、戦術というか、手段の要点は「知識」として吸収できると思う。
ただし、MBAのノウハウを元にしていることもあり、会計や経営やマーケティングの知識は前提として必須。大学で会計学や経営学を学んだ人であればすんなり頭に入ると思うが、その知識が無ければ「理解」するのに相当苦戦すると思う。
1点、非常に共感できたのは、最期に解説されている「価値観」。
氏は、最終的にはこの「価値観(に基づく直感)」が全てだと締めくくっている。
これには激しく賛成。
この「価値観」については、こういったビジネス書をいくら読んでも身に付かない。
しかし、解説されているような、ビジネスで使うツール以上に大事なモノだという主張は、非常に正しいと思うし、一番肝に銘じなければいけないことだと思う。
さて、現在の自分は、こられのノウハウの「理解」がやっと出来た段階。
これから「応用(実践)」して自分なりのフレームワークを掴もうとしているところ。。
同じ考えで、何かしらのフレームワーク(の雛形?)を身につけようとされている方は、最初の1冊として読むべき本であると思う。