ダイヤモンド社で出版しているMBA資格を取るための参考書。
実際MBAの講座などでどういう形で教えているのかはわからないが、この出版社から複数出ているMBA関連の本の中でも、まず全体像を学ぶために一番最初に読むべき本だと思われる。
今回は、1回目に「マネジメントの概要(全体図)を掴むこと」を目的に、2回目に第7部を詳細に読み込んで「ゲーム理論・交渉術の概要を掴むこと」を目的に、2回繰り返し本を読んだ。
MBAに関するダイヤモンド社の本は、この本の各部に分かれている項目毎に1冊としての出版されている本もあるが、マーケティングを勉強する上で、第2部が独立した「MBAマーケティング」を以前読んだことがある。
同じく論理的思考を学ぶ上で「MBAクリティカル・シンキング」を読んだこともあり、この出版社の本の体系的な理解のしやすさは実証済みである。
第7部の「MBAゲーム理論」に関しても1冊本が出ており、以前購入したのだが、まだ読み切っていない。
「ゲーム理論」を深堀りして学ぶ上でも、まずはマネジメント全体を把握し、概要を掴んだ方がより学びやすいと考え、今回この「マネジメント・ブック」を読むに至ったわけである。
目次は以下の通り。
第1部 経営戦略
1.経営戦略の意義
2.全社戦略
3.事業戦略
4.競争戦略
5.戦略の実行
6.経営戦略トピックス
第2部 マーケティング
1.マーケティングとは何か
2.マーケティング環境分析
3.市場戦略
4.マーケティング・ミックス
5.新しいマーケティング潮流
第3部 アカウンティング
1.企業経営とアカウンティング
2.アカウンティングの基礎
3.会計トピックス
4.指標分析
5.財務諸表分析の注意点
6.管理会計
第4部 ファイナンス
1.企業経営と企業財務
2.ファイナンスの基本概念
3.投資の意思決定
4.資金調達と資本政策
5.企業価値
6.今後の企業財務
第5部 人・組織のマネジメント
1.企業経営と人・組織のマネジメント
2.リーダーシップ
3.個人と集団の行動
4.組織と人事システム
5.これからの人・組織のマネジメント
第6部 IT
1.企業経営とIT
2.業務システムの革新
3.インターネット
4.ナレッジ・マネジメント
第7部 ゲーム理論・交渉術
1.企業経営とゲーム理論
2.ゲーム理論の基礎概念
3.ゲーム理論の応用
4.企業経営と交渉
5.交渉の基礎概念
6.効果的な交渉
7.心理バイアス
8.交渉の応用
各部が1冊としてまとめてあるが、以下のように、それぞれの立場で深堀りする知識は異なる。
- 経営者として必須の知識としては、第1部の「経営戦略」、第3部の「アカウンティング」、第4部の「ファイナンス」。
- リーダーなどマネージャーとして必須の知識は、第3部の「アカウンティング」、第5部の「人・組織のマネジメント」。
- CIOとして経営の立場からITを考える上では、第6部の「IT」。
- 商品企画/開発やリサーチ、SP、広告代理店など、マーケティングに関わる仕事をする人は、第2部の「マーケティング」。
- どんな職種であれ、交渉をする立場の人は、第7部の「ゲーム理論・交渉術」。
まぁ、仕事をする上でこういった機能が役割毎に綺麗に分かれているわけではないが、課長から社長まで管理職の立場の人は、全ての知識は一通り学んだ方が良いとは思う。
そういった意味で「MBA」というのは非常に良くできた資格だと、今回この本を読んで改めて痛感した。
自分が現在興味あるのは「マーケティング」と「ゲーム理論」。
「マーケティング」については基礎はある程度学んだと思う。
あとは教科書と言われるコトラーの「マーケティング原理」を1冊読もうと思っているが、基礎学習はこれで終わり。
あとは実践を通してケーススタディを行いたいと考えている。
「ゲーム理論」については、正直その必要性をそれほど自覚していない。
必要性がほんとにあるのか?それを掴むためにも、今回少し深堀りして学んでみようと考えている。
この本を読んだ感触としては、「ゲーム理論」より同じ部で書かれている「交渉術」の方が実用性を感じるのが本音。
「MBAゲーム理論」を読んでさらにもう1段深堀りして概要を学び、さらなる深い理解が必要かどうか判断したいと思う。
MBAの知識は、ビジネスを成功させる上での必要条件では無いのだが、十分条件ではあると思う。
学べば、確実にビジネスを成功する上での、何かしらの指標にはなると思う。
ただし、このMBAというのは、アメリカ流のビジネス術をパッケージングして他国へ輸出し、MBA学習を1つのビジネスにしている、アメリカの戦略であるということは忘れてはいけない。
しかし、その戦略を差し引いても、今まで日本企業が曖昧にして誤摩化してきた病癖を浮き彫りにし、より良い状態へ改善するための1つの指標として、非常に強力なツールだと思う。
今後状況がより厳しくなると思われる日本市場の中でビジネスを行うビジネスマンは、MBA関連の本の中でも、この「マネジメント・ブック」だけは絶対に読んでおいた方が良い。