published by よねさん

今のこの時期、4年に1度のサッカーの欧州選手権「EURO 2012」が実施されてる。

サッカー好きな自分としては、欧州時間に開催されるこの大会を、会社から帰ったらすぐに晩ご飯食べてお風呂入って速攻で寝て、それで夜中1時くらいに起きて必死で観てるわけなんだけど(笑)、各国の選手名鑑とか試合観てたら、たまに「Republic」が国名に付いてる国がある。

例えば、アイルランド(Republic of IRELAND)、それとチェコ(CZECH Republic)。

Republicとは「共和国」のこと。
よって、正式な国名は、アイルランド共和国、チェコ共和国になるわけだ。

そして、「共和国」とは「共和制」の国のことだ。

それでは、「共和制」とはどんな制度の国なんだろうか??

共和制と民主制の比較は間違い?

よく対比される言葉に「民主制」という言葉がある。
調べてみると、違いを説明してるページがいくつかあった。

その中で「なるほど!!」と納得したのが、以下のページ。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q139243593

要するに、「共和制」と「民主制」を比較すること自体が間違い、ということだ。

共和制」と対比する概念は「君主制
民主制」と対比する概念は「寡頭制

違う概念を比較してるんだから、頭が混乱するのは当然だよな。。
おそらく、アメリカの二大政党が「共和党」と「民主党」ってことも、この違う概念を比べてしまう一要因なんだろうね。

昔、小林よしのりさんの「戦争論」読んだときに書いてあったことなんだけど、「平和」と「戦争」という概念を比較することがあるが、「平和」というのは状態を、「戦争」というのは行為を表す概念。よって、「平和」の対義語は「混乱」で、「戦争」の対義語は「交渉(話し合い)」となる。なので、「平和」と「戦争」を比較して論じても仕方ない、と。すごく納得した覚えがある。

この手の概念の混乱を無視した上での議論って、日常でも結構多いのよね。。
まず話し合っても結論が出なくて、だからこそ、最後は感情論になることが多いので、早めに気づいて方向修正した方が参加者が無駄に時間浪費しなくていい。ほんと大事だよなー、これって。。

おっと、閑話休題。。

「共和制」「君主制」は、「君主」が存在するか(君主=国家元首か)?という状態を指す言葉だ。
政治的に支配的な権力を有する、皇帝/王様などの君主がいれば「君主制」となり、存在しなければ(国民からトップを選ぶにせよ、一党独裁にせよ)「共和制」となる。

君主制の国は、「王国」「公国」「首長国」「帝国」などが国名に付く。
共和制の国は、国名から判断はできない。とは言え、世界のほとんどが共和制の国ではある。共和制のトップ(国家元首)の呼び名は様々。アメリカで言えば「大統領」、中国で言えば「国家主席」、昔は「総統」という言葉も使っていたらしい(中国が共和制の国ってのは違和感あるかもしれないけど、共産党という党が支配してる国なので、特定のある人物や血統の人が支配している国ではない。)。

ちなみに、「首相」はあくまで内閣という行政機関の長なので、国家元首ではない。
なので、フランスやドイツのように、「大統領」と「首相」が両立している国も多数存在する。

一方、「民主制」と「寡頭制」は、これは簡単に言えば、誰が権力を持っている(誰に主権がある)か?という状態を指す言葉だ。

ごく少数で権力を独占していれば「寡頭制」だし、国の主権が国民にある場合は「民主制」となる。

ちなみに、日本は「共和制」ではなく「君主制」。
天皇陛下が「君主=国家元首」となる。

ただし、もちろん日本人ならば皆が知っての通り、天皇陛下は政治的な権力は持っておらず、政治に口出しすることはない。「憲法」で制限されている。よって日本は「立憲君主制」の国なわけだ。で、主権という観点から言うと「民主制」の国でもある。国民が選挙で総理大臣を選ぶシステムだ(間接的にだけど。。)。イギリスも同じ。エリザベス女王に政治的な権限は無い。

あとは組み合わせ次第。

「共和制」と「民主制」を組み合わせてる国が多いけど、日本のように「君主制」と「民主制」を組み合わせてる国もある。なので、「君主制」と「寡頭制」を、また「共和制」と「寡頭制」を組み合わせてる国だってある。

どれが正解というわけじゃなく、各国がそれぞれの歴史的な経緯から選択した結果として、現在そういう状態である、ってだけなんだろうね。

実際の日本の体制は?

「君主制」と「寡頭制」の組み合わせは、「絶対(専制)君主制」と呼ばれる。オマーン、カタール、サウジアラビア王国などの中東国家に複数あり、リヒテンシュタイン公国などもそうだ。

「共和制」と「寡頭制」は、組み合わせ的にはありだけど、そもそも変な組み合わせだ。君主が居ないのに、誰かが独占してる状態???

なので、自分の国がそうです!!と宣言してる国は無いと思う。しかし、「実質そうなっている」という国は結構あるように思う。つまり、国の代表を国民が選ぶ「共和制」ではあるんだけど、選んだ結果、一部の勢力が「権力を独占(寡頭)」している状態。

どこかで聞いたことがあるような・・・
そう、現在の日本の状態に似ている。

日本は国会議員を選挙で選び、その中から総理大臣が決まる、実質は「共和制(共和民主制)」の国だ。憲法上は天皇陛下という「君主」は居られるけども。しかし、ほんとうに国民に主権がある(民主制)かというと、おそらく大半の人が「無い」と言うだろう。日本では実質官僚が権力をほぼ独占している。今話題になってる消費税UPにしても、財務省の意図としか思えないわけだし。

つまり、「民主共和制」の国は、国民側に「主権がある」という意識があって、ちゃんと政治について考える習慣が無いと、いとも簡単に「寡頭共和制」に陥る危険性があるってことだ。

「民主」と言う以上は、自分たちの主権をしっかり行使しないといかん!!

・・という当たり前の結論のみでとりあえず終わることにする。
今回のテーマとはズレてるし、この話を考えだすと、めちゃくちゃ長くなりそうなので。。

合衆国と連邦の違い

上記調べる過程で、「合衆国」と「連邦」の違いも調べたので、ついでにまとめておく。

まぁ、実は「違いなんか無いよ」ってのが答え(笑)
「合衆国」と「連邦」に違いは無い。名前が違うだけ。

では、「合衆国(連邦)」とはどういう体制か?
Wikipediaを見ると、以下のように書いてある。

連邦(れんぽう)とは、複数の国家、またはそれに相当する強い権限を留保する自治政府(州等)の集合であり、それらが1つの上位政府によって統治される国家様態である。

わかるような、わからんような説明である。

要するに、それぞれ独立している「自治政府」が1つにまとまったのが「連邦」なり「合衆国」ということだろう。アメリカで言えば「州」がこの「自治政府」にあたる。

それでは、「自治」とは何だろう?
どこまで権限があれば、その組織は「自治している」と言えるのだろうか?

当然、「自治」という言葉は概念でしかないので、その言葉自体に答えはない。これは「国家」とは何か?を考えないと答えが出ない。

で、改めて、Wikipediaの「国家」を見ると、「連邦国家の構成国家」という項目に以下の記載がある。

構成国家はそれぞれ「主権」と「領域」と「国民」を有する独立国家であるが、国家同士の自由意志による契約にもとづいて「主権の一部を互いに委譲または委託して」連邦政府を組織する、という形式をとる。したがって、形式上では、連邦構成国はその意志によって主権を取り戻して連邦を離脱する権利を留保していることになる。
(もちろん、連邦政府が強大な権限を有するようになって連邦が形骸化し、構成国は実質的には離脱の自由を持たない、というのが実態である)。

「領域」と「国民」という要素は、例えばアメリカの「州」は満たしている。しかし、これは日本の「県」だって同じだ。つまり、ポイントは「主権」を有しているかどうか?ということになる。

構成組織が上位組織に「主権を委託している」状態なのか、それとも、上位組織がすべての「主権を有している」状態なのか、これが連邦かどうかの分かれ目ということになる。

・・ だいぶ確信に近づいてきたな。。

では「主権」とは何か?
Wikipediaを見ると、以下の3つの基本的意義から成り立っているらしい

・最高権(対外主権)
・統治権(対内主権)
最高機関の地位(最高決定力) — 憲法制定権力

「最高権」と「統治権」は割とわかりやすい。対外的に独立しているということ(対外主権)は、互いに対等ということだ。そこに主従関係はない。また対内主権も、内部に対してどんな意思でも貫徹できる、と考えれば、当然の権利(権力)だなと思う。

で、「最高決定力」だが、要するに、「憲法」を制定できる、ということ。
ここが一番のポイントだ。やっとたどり着いた。。

独自の「憲法」を制定できる以上、当然その組織はそれぞれ別の「法律」を持つことになる。勘違いしている人が多いが、主権を持った国民が統治権力に対して要求するのが「憲法」で、統治権力はその「憲法」に沿った形でしか「法律」を作れない(・・あくまで理念上は。。実質は憲法無視した法律が割と制定されてたりする。だから国民側からのチェックが必要になるわけだ。)。だから、「憲法」が違えば「法律」も違う。

事実、アメリカには「州憲法」がある。
よって「州法」はバラバラで、州によって税収が違うのは当たり前、銃の所持についての決まりも違うし、交通法規まで違うらしい。
⇒アメリカの州は「独立国家」

ここまで整理したらわかる。
日本の「県」とアメリカの「州」は全く違う。日本の「県」ごとに「憲法」なんてあるはずが無いので。

つまり、連邦国家」とは、独自の「憲法」を持った「自治政府」が集まり、その主権の一部を上位組織である政府に委託することで成り立ってる国、ということだ。

例としては、スイス連邦や、アラブ首長国連邦、ロシア連邦、ドイツ連邦共和国など。
ドイツが「連邦」って何か違和感あるけど、元々東西ドイツが分かれてた頃から、西ドイツは「ドイツ連邦共和国」という名前だったみたいね。なので、ドイツの各州もそれぞれ違う憲法持ってるってことなんでしょう。

最後に

こういう概念整理は楽しいねー。

今まで曖昧に理解していた事柄が、頭の中でピースがはまるみたいにつながっていくので。すごく理解が進む。

このブログが、同じ疑問持ってる人の疑問解消の手助けになれば、幸いです。

共和制と民主制、合衆国と連邦の違いとは?」に4件のコメント
  1. milkywayeco
    2015/03/17

    わかりやすい内容で、結構頭がスッキリ。
    ただ日本における「主権」という部分の説明で、確かに官僚の強大な権力ってのも理解できますが、一番大きな問題は、自分達の主権を適正に行使するために選挙における投票という行為に対して、あまりに鈍感すぎていることが、結果として低レベルの議員を生み、官僚が幅を利かせてしまっているということだと。官僚の強権も、根は有権者の投票意識の結果反映ってとこで、それが一番哀しい現実ってとこでしょうか。

    このコメントに返信
    • よねさん
      2015/04/15

      たしかにそうですね。
      結局政治家は有権者の鏡であって、官僚はその政治家が管理している(するべきな)ので。
      政治にあまり希望が持てない心情は理解できますけど、選挙に行かないと何も始まらないですものね。

      このコメントに返信
  2. まさこ
    2016/05/18

    すごくわかりやすかったです!こういう人のサイトが検索1ページ目に出てきてほしいです。。。笑

    このコメントに返信

コメントを残す