コンプガチャは何が違法なのか?

コンプガチャ問題。
最近ニュースで話題を振りまいてます。

私自信は、あまりソーシャルゲームに興味無いので、コンプガチャ自体はやったことないんだけど、ニュース見てても、「何が問題なのか」つまり「どの行為がどの法律に抵触してるのか」がよくわかんない。。

ということで、頭整理するために、ちょっと情報集めてブログにまとめてみようと思う。

コンプガチャとは?

まずはコンプガチャについて。

「コンプリート」と名前に付いてる通り、複数のカードを集めてコンプリートすると、別の(レア)カードが手に入る、というそれだけの代物。

昔、私が子供の頃「ビックリマンチョコ」のシールが大流行したことがある。
私もすげー集めてた。カードだけ取ってチョコを捨てる子供が多くて少しだけ社会問題化した。

最初、コンプガチャ聞いたときは、昔からあるこの手のカードと何が違うのか?が正直よくわからなかった。まぁ、カード集めるって意味だと同じ。デジタルでもリアルでも。ただ、その後で「複数のカード集めて特典が手に入る」という行為そのものが、景品表示法の「カード合わせ」に当たるらしい。

これが問題なわけだ。

景品表示法の「カード合わせ」

景品表示法は公正取引委員会のホームページで確認できる。
景品規制の概要

で、こっちがより詳細な制限の内容。
懸賞による景品類の提供に関する事項の制限(告示)

今回問題になっているのは、5項の以下の文章。

5 前三項の規定にかかわらず、二以上の種類の文字、絵、符号等を表示した符票のうち、異なる種類の符票の特定の組合せを提示させる方法を用いた懸賞による景品類の提供は、してはならない。

めちゃわかりづらい文章だけど、これが「カード合わせ」のこと。コンプガチャはこの「カード合わせ」にモロに当たるらしい。

私もお仕事でインセンティブがついたキャンペーン等を企画することがよくあるので、この景品表示法はお世話になってる。キャンペーンの商品額とかはこの規則に沿って金額設定してる。上記、「景品規制の概要」ページに詳しいけど、例えば、1,000円(取引価額)の商品を買って当たるプレゼントであれば、「一般懸賞」に当たり、取引価額の20倍までという制限なので、プレゼントは「20,000円」までの商品、ということになるわけだ。

まぁ、たしかに懸賞商品となる1商品の金額をいくら制限しても、それを複数合わせてレアな商品が手に入る仕組みを許してしまえば、この制限は意味がなくなる。商品の金額(取引価額)が100円だとしても、レア商品が手に入る確率が「0.01%」だと、100万円使わないと手に入らない計算になるので。

これに抵触するという判断は納得。

ちなみに蛇足だけど、上記の規制は公正取引委員会の「告示」。
「法律」以外にも様々な規則があり、その区分けは以下のページに詳しく書いてあった。
省令・告示・通達などの違いについて(素人です)

要するに、国民の行動を制約する決まりとして、効力は「法律 ⇒ 政令 ⇒ 省令」という順番。で、「通達」と「告示」はかなり曖昧なシロモノで、本来は国民の行動を制約する決まりではない。なんだけど、裁判所の判断次第では、法律と似たような効力を持つこともあるらしい。なんちゅーいい加減な。。

射幸心について

コンプガチャに関連する記事やブログ読んでると、「射幸心」がどうの、という文章が出てくる。

私はてっきりこの「射幸心」についても法律に記載されてて、著しく射幸心を煽るような行為はダメ、って話なのかと思ったら、消費担当大臣がそう言った、ってだけのお話なのね。。
7月から“コンプガチャ”規制 景品表示法に抵触

なんだ、しょーもない。。

ちなみに、「射幸心」とは「人間の心理として幸運を得ることを願う気持ち」のこと。
「宝くじ(富くじ)」販売したり、パチンコなどの「公営ギャンブル」を公然と認めてる行政が言えるセリフではないと思うけど、これは語るとめちゃくちゃ長くなるので、今回は軽く触れるだけにしとこ。

「成長産業だから」という議論

この議論もたまに見かける。

コンプガチャをサービスしているGREEやDeNAなどは、現在日本の会社の中でも成長著しい元気のある会社。DeNAはベイスターズも買収したわけだし。

「そんな成長産業を行政が潰すなんてとんでもない!!」って話の筋だ。

はっきり言って、この筋は乱暴すぎる。エロ産業でも売上が右肩上がりならば規制なんか必要無いって言ってるのも同じ。

全ての法律は、「国民が住みやすい社会を実現するためにある」というのは鉄則でしょう。ノールールで良いわけがない。今回は、金銭感覚がまだ育っていない「子供」がターゲットになってて、親が知らないところで、かなりの高額を支払うハメになっている、というのが一番の問題。私は子供が高額を支払わなければいけない仕組みに簡単にアクセスできるような社会には住みたくない。だから規制するのは当然、という話になる。

まぁ、お金払い過ぎてる子供を親が監視できてない、って別の問題はあるとは思うけどね。使える金額のキャップ嵌めるなり、毎月ちゃんと使った金額チェックするなり、自分の子供ならちゃんと監視したれよ。そういう判断能力が無いのが子供なんだから。。

最後に・・

今回頭整理する上でブログにまとめてみたけど、やっと納得できた。
これは必要な規制だわ。

しかし、何で今までオッケーだったのかが不思議。ほんとに。。今さらだよな。

で、このブログ書くために情報集めてたら、どうやら昨日(2012年5月18日)、消費者庁はコンプガチャを正式に「景表法違反」と判断したらしいね。まぁ、規定路線だけど。
消費者庁、「コンプガチャ」は景表法違反と正式見解、
7月1日以降は行政処分も

7月1日から施行か。関係各社は既に自主規制に動いてるから直接の影響は無いかな。。各社の今後の売上や、コンプガチャを制作してた下請け会社とかにはダメージ大きいんだろうけど。
ソーシャルゲーム6社連絡協議会が
コンプガチャ自主規制発表で一応の終息となるのか

IT業界に身を置く自分としては、あまりこの件を引きづらないように、各社ともさらに頑張って日本のIT業界を成長させる一翼を担ってほしいと、マジで思います。

今のところ「コンプガチャは何が違法なのか?」にコメントは無し

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