昨日、温暖化問題の対策に熱心に取り組んでいる、アメリカ民主党の議員アル・ゴア氏を主人公にしたドキュメンタリー映画「不都合な真実」を観た。
温暖化問題は結構前から話は出ているけど、世界で1番CO2(二酸化炭素)を排出してるアメリカや、現在イケイケで経済発展してる中国が京都議定書に締結していない状況もあり、先進国はそれほど本気で取り組んでないように感じてた。
映画の内容を観ると、そんなに間違ってない状況のよう。。
結局この映画は、様々な理由で様々な人に否定されてる「温暖化問題」は、確実に存在している!!ということをデータを元に説明しているだけなのだ。
細かいデータについては、実際に映画を観てもらった方が早い。
データ自体は別に新しいものでは無いようだけど、アル・ゴア氏というスポークスマンが凄く分かりやすく映像で説明してくれるので、温暖化問題の原因、および今のままだと50年後100年後に地球がどんな状態になるのかが、だいたい理解できる。
ただし、映画では語られない事がある。
それが、今後の具体的な対策。
個人的に出来るコトはどこの国の人でも出来るけど、政治を通してしか実現出来ない事はそれぞれの国の中でやるしかない。映画はアメリカが舞台だし、ゴア氏はこないだの中間選挙で上院/下院とも過半数を獲得した民主党の議員なので、次のアメリカ大統領選出を含め、この映画はアメリカ人が選挙に行くときの心理に多少は影響があるかもしれない(…この映画は政治的な意図も間違いなくあるだろうし)。
しかし、我々が考えなきゃいけないのは自分たちが住んでる「日本」での対策だ。
さて、自分が良く観てるビデオニュース・ドットコムでちょっと前にこのネタを扱ってて、見るのは映画観てからにしようと思い、昨日やっと確認してみた。そして、有り難い事に、そこではまさに「日本ではどうするか?」って話題をやってくれてた。
ここでゲストに招かれてる福山哲郎氏は民主党の参議院議員で、京都議定書が締結された頃からこの温暖化問題を扱っている方。日本にも骨のある政治家はいるなーと嬉しくなったけど、何とこの方以外で温暖化などの環境問題に真剣に取り組んでいる人はほぼいないらしい…。
理由はずばり「選挙に勝てない」から。
環境問題を扱う(争点にする)と選挙に勝てないのは通説になってるようで、たしかに考えてみると勝つ要素が無い。。
コストを強いる企業にも、コストがかかる影響で給料が下がる労働者(労働組合)にも、企業から広告料をもらってるマスコミにも、そしてどうしても予算がかかってしまうので官僚にも理解を得られない。
結果、選挙に負け、環境問題に真剣に取り組まない立候補者が政治家になる。そして、環境問題対策は遅々として進まなくなる。。それが日本の現状のようだ。
まぁ、その他の国内問題など考えても当然と言える状況ではあるけど、だからと言って何もしないわけにもいかない。
そもそも、この選挙に勝てない理屈がおかしいのだ。
結局みんな「お金」しか見てないじゃん!!
うちらが子供時代にはかろうじて残ってた「地域共同体」が破壊された影響ってのは、こういう所でモロに出てくる。。対策に成功してるスウェーデンなどを考えても、地域への愛着に根ざした公共心の問題なんだ、結局。。それを地球規模まで拡大しましょ!!って話なので。
要するに、今もらえる「お金」と、将来残すべき「環境(地球)」、どっちの価値を選ぶかという問題なんだ。
環境問題については、普通に生活しててもほとんどネタとして話されるコトが無いので、そんな状況がこういった映画などで少しは変わってくるとまだ見込みはあるかと思う。環境問題を取り扱ってるNGOやNPO団体に参加するってのも1つの選択肢だけど、そこまでやんなくても、個々人が少しだけ高い意識を持って、世論を形成していく。そういう下からの突き上げが絶対に必要だ。
あと必要なのは、政権の交代かな。。
このニュースで言ってたからじゃなく、環境問題以外のコトでも、今の日本の閉塞的な状況を変えるには政権を交代させるしか道がないとほんとに思う。
民主党が自民党より優れているからって話じゃなく、1つの権力が危機感も無く居続けられる…そういう状況が社会システム上、一番問題だ。
政治家ー官僚ーマスコミー大衆という図式は、上と下、相互で押しつぶして変えるしか無い(何だかんだ言っても、その鍵は選挙権を持ってるうちらが握ってるわけだし)。
そうすれば、温暖化含めた環境問題の対策や、その他諸々の問題に対する対策も、少しは違った展開(進展?)を見せ始めるんじゃないかと思う。
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□不都合な真実を不都合でなくするために
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