町山智浩さんの著書。
町山さんはアメリカ在住のコラムニスト。
良く見てる「ビデオニュース・ドットコム」でほんのたまーにゲストとして電話などでアメリカの現状を伝えてくれたりしている。また、最近は見てないが、「ミランカ」というサイトで、水道橋博士と宮崎哲弥氏がやってる「博士も知らないニッポンのウラ」でも、昔ゲストとして出演してて話も軽快で分かりやすく面白かった。
ということで、町山さんは最近注目しているコラムニスト。
その氏が、宗教/戦争/経済/社会/政治/メディアなど様々なジャンルから切り取った、アメリカの非常識ぶりを紹介したのが本書。知ってそうで知らない、アメリカの実情を知ることがこの本を読む目的。
さて、目次は以下の通り。
序章 アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない
第1章 暴走する宗教
第2章 デタラメな戦争
第3章 バブル経済と格差社会
第4章 腐った政治
第5章 ウソだらけのメディア
第6章 アメリカを救うのは誰か
終章 アメリカの時代は終わるのか
マイケル・ムーア監督が映画「シッコ」で暴いたアメリカの医療保険の実情や、リーマン破綻で弾けたアメリカ発のサブプライムローン問題、散々言われているがブッシュ大統領がほんとのほんとにアホだということ、メディアの暴走ぶり…などなど、かなり特徴的な話ばかり集めているので、アメリカ人全員が本書で書かれているような異常な行動を取るわけじゃないだろうが、「宗教」というベースがある国が、簡単に暴走してしまうのは、9.11以降のアメリカを見ればよくわかる。
タイトルになってる、アメリカ人の50%はニューヨークの場所を知らないってのも衝撃的。日本に置き換えると、国民の50%が東京の場所知らないってことになる(…ニューヨークは首都じゃないけども)。「それってジョークでしょ?」と思えるようなおバカな状況(だが、今の日本の若者に日本地図を見せて、どれくらいの人が東京の場所を示せるのかどうか…すごく不安なのだが。。)
アメリカに妙な幻想を持ってる人は、この本を読んで、ぜひぜひその幻想を粉々に砕いてもらって欲しい(笑)
アメリカという国の実情を知ることで、比較して日本の現状を考える、そんな活用法もこの本にはあるのかなーとも思う。しかし、まぁ、あまり小難しく考えなくても、本の内容自体面白い。私は非常に楽しく読ませてもらいました。