前回ブログで書いた「ビジネスマンのための「数字力」養成講座」の前編。
同じく、小宮一慶(かずよし)さんの著書。
「数学力」同様、立ち読みで読んだのだけれど、要点は掴んだ。
(全然関係無い話だけど、我ながら本を読むスピードが速くなったもんである。これで「フォト・リーディング」の講座を受けて速読身につけたら、もっと本読めるな。今から楽しみやで!!)
さて、目次は以下の通り(Discoverより)。
はじめに
発見力=ものが見える力第1章 見えているようで、何も見えていない
新幹線の改札機から出てくる切符、特急券と乗車券、どっちが上?
思い込みの罠
なぜ、よくお金を拾うのか?
あなたの時計は……?
見えているつもりになっているだけ!?
見える力の大原則第2章 関心と仮説でものが見える
まずは関心
次に仮説
分解してポイントを絞って見る
新幹線のグリーン車で、景気を見る
小金井カントリークラブの会員権相場でお金の勢いが見える
同僚が髪を切ったのに、いち早く気づくには?
サラダバーのプチトマトのへたを取ってあれば一流レストラン!
関心→疑問→仮説→検証
仮説を立てるポイントは、関連づけ
旭川動物園が上野動物園より入園者が多い理由
拡大している介護市場より、少子化の塾市場のほうが儲かっているのは?
コンサルタントの工場視察、どこを見るか?
最近見ないコマーシャルから、企業の栄枯盛衰を知る
金のロレックスをはめている社長の会社は儲かっているか?
こうすればものが見えてくる!第3章 たとえば、こんなふうに見えてくる!
小宮流よい会社の見分け方
儲かっているレストランを見分ける方法
会社の売上げを推測する方法
一秒で財務諸表を見る方法第四章 見える力を養う方法
1 ほかの人より少しよけいに勉強する
1 物事を根幹の部分から考える
2 「道具」を使いこなす
3 知識を蓄え、結びつける
2 新聞を読む
1 毎朝、前から順番に新聞を読む
2 経済統計で定点観測をする
3 ポイントを絞って経済統計を読み込む
4 複数のデータを、その関連性を推測しながら見る
5 仮説を持って、新聞や情報を読む
3 ふつうのものをたくさん見る
1 ノーマルなものをたくさん見る
2 平凡なものと比較する
4 問題解決を極める
1 問題解決の経験を重ねる
2 徹底して行う
5 関心の幅を広げ、深める
1 興味のない新聞や雑誌もとりあえず買う
2 関心を深める訓練をする
3 責任を持つ
4 真剣に考えるきっかけをつくる
6 思想を持つ第五章 ものが見える10の小さなヒント
1 先に要点を知る
2 ヒントを先に得る
3 分解する
4 情報を減らす
5 気づいたことをすぐメモする
6 比較する
7 一部を取り替える
8 視点を変える
9 複数で話す
10素直になるおまけ ものが見える人は幸せになれる
「数学力」を先に読んでいたので、ほぼすんなりと頭でも理解でき、身体にもストンと腑に落ちる内容だった。常日頃自分が考えている事ともかなり重なる話でもあったので。
まずは「関心」を持ち、「疑問」点から「仮説」を立て、「検証」していく。
これを繰り返して、自分なりの「基準」を見つけることの重要さは前回ブログで書いた通り。
なお、著者は第4章の5で「関心」を持つためのキーワードの一つとして「責任感」を挙げている。
たしかに「責任」が発生すると、見る視点は広がる。
平社員より課長の方が、課長より部長の方が、部長より社長の方が、会社の物事に対する見方は広いだろう(…と思われるし、そうで無いと困る)。
しかし、自分は敢えて「この意見は違う」と言いたい。
自分が「関心」を持つために必要と思うのは、ズバリ「好奇心」だ。
今までの経験から、「(知的)好奇心」が全ての出発点だと自分には思える。
「知りたい」と思うからこそ「関心」を持てるわけだし、「責任」を負った義務感から持つ「関心」よりも、自分が好きで知るわけなので、モチベーションも高いし持続する。
しかし、それ以外の意見は全くおっしゃる通り。
「問題解決力」を極めれば、「問題発見力」も高まる。たしかに。
また、第4章の1で説明している「他の人より少しよけいに勉強する」という意見は、もう諸手を上げて大賛成!!
物事の理解には、知識+経験が必要だが、日本では経験を重視して知識を軽んじる傾向がある気がする。
「現場も知らない人間が偉そうなコトを言うな」的な意見が流布している。
しかし、身につけた知識は、著者が言う通り「引出し」を増やしてくれる。
そして、何より「物事を根幹の部分から考える」手助けをしてくれる。
これは自分もずっと同じ考えを持っており、この考えをベースとして知識を増やしてきたつもり。
同じ考えを持っている人がいる事が、素直に、そして涙が出るくらい嬉しい。
自分が今までやってきた事は正しかったと思えるから。。
さて、第3章の「一秒で財務諸表を見る方法」で、当年の流動資産と流動負債の差額がプラスかマイナスかで、企業の善し悪しを判断する、というのは納得の指標。たしかに、企業(法人)も個人と同じで、今時点で生きていく上で貯金より借金が上回ってしまえば、首が回らなくなる。当然と言えば当然。
これは、何かしら判断するための指標を「1つだけ持つ」という重要さにも繋がる。
例えば、自分は今転職活動中だが、面接時に企業を判断する上で、何かしら1つ強力な判断基準を持っていると、企業の善し悪しを納得しやすくなる。
この本は、「数学力」とセットで読むと、なお良いと思う。
どんな業種のどんな役割の人にでも役に立つ内容である。
1冊1000円なので、2冊買っても2000円。
愚痴を言いあうために飲み行くようであれば、その1回の飲み代を回すだけの価値は十分にある本である。