攻殻機動隊1.5

本屋行ったら売ってたので、衝動的に買ってしまいました。

正式な本のタイトルは、「攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER」。

舞台設定は、1991年(そんな前なのか…)に発売され押井守監督により映画化もされた「攻殻機動隊」と、2001年に発売された「攻殻機動隊2」の間を埋める作品になります。

「攻殻機動隊」は、パソコンが普及していなかった当時ではピンと来ない設定でしたが、現在のネット環境を背景にするとかなり現実味のある作品。作者の士郎正宗さんの先見性というか、未来を感じ取る力にはただただ驚愕するばかり。。

「攻殻機動隊2」は、1でネット(人形使い)と融合した主人公が、多様性を持ちつつ模倣子をネット世界にバラまき、その種が花開いた一端を垣間見ることが出来ます。宗教的要素も扱っており、今後現実に広がったネット世界でも重要な概念となりそうな、精神世界の未来(過去?)なども扱ってて(これは遺伝子が先に解決してしまうかも…?)、単なる裸に近い女の子がドタバタを繰り広げるというイメージ(笑)とは、全く異なる知見を与えてくれること請け合いです。それを理由に士郎さんの作品を敬遠してる人は、ぜひ先入観無しに読んでほしいです。

さて、その間に入る1.5ですが、読んだ直後の感想としては、現実世界とはまだかなり距離があるように感じられる1や2よりも、現実に近い印象。まぁ、1や2やアニメで相当この世界に慣れたってのもあるかもしれませんが(笑)

オリジナルDVDとしてアニメ化された「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」や「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」、最近量産されているくだらない邦画など足下にも及ばないオリジナル長編DVD作品「Solid State Society」の舞台に近い。

話の一編が「Salid State Society」に使われているから余計そう感じるのかもしれませんが。。

この本は全編漫画になっているのではなく、オリジナルDVDのために士郎さんが提案したプロット(台本)も載ってます。本の半分くらい。DVDでは作品化されなかった話もあるので、ファンであれば間違いなく楽しめますね。

また機会あるときに、1⇒1.5⇒2と続けて読んでみようかな。

士郎さんの作品は、暗いテーマの中にも未来への「希望」みたいなモノが感じられるから好きです。「楽観的な現実主義者」というか。自分も多分このカテゴリに入る人間だからこそ。

ちょっと値段は高いですが、まずは漫画喫茶とかで読んでみて下さい。

吹き出し以外の情報が多すぎて、若い人だと消化不良を起こすコト確実ですが(笑)、サイバーな未来を思考する訓練になると思います。

今のところ「攻殻機動隊1.5」にコメントは無し

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