久々に「博士も知らないニッポンのウラ」からのネタ。
第23回のゲストはエコノミストの紺谷典子さん。
現在のサブプライムローン問題から発生した全世界的な不況。
この不況の説明から始まり、結論を先に言えば、必要な公共投資をバンバン行う事による「景気対策」を行うことが今は一番必要と唱える。
現在下がっている日本の株価は、無責任な発言を繰り返す総理を筆頭とする政府の経済の無策ぶりが原因とのこと。今回のサブプライム問題でサブプライム絡みの金融商品の所有率からも、高騰しているオイルの依存度(日本はオイルショックの経験からオイル依存度を下げている)からも、他の先進国と比べて一番影響が低いはずの日本の株価が一番下がってしまっているのは、日本政府に対する海外(国内も?)からの信頼度がそれだけ低いということ。
何の対策も打たないし打てない日本の株なんかさっさと売ってしまおうということか。。これがほんとだとすると、何とも情けない理由である。
経済政策を語る上で重要だと思われるプレイヤーは「政府」と「日銀」と「財務省」。
プレイヤーの一人である「政府」の状況は先に説明した通り。
現在、別プレイヤーである「日銀」の次期総裁を誰にするかで与野党でもめている。
バブルの後始末で、「物価の番人」とも呼ばれる日銀の政策による、デフレ状態でのゼロ金利、及び量的緩和は景気対策に一定の効果があったようだが、その後景気が回復していない状態で金利を上げてしまったため、さらなる不況を発生させてしまった。これは当時日銀総裁だった福井氏の失策(理由は金融知識不足だって(笑)ほんとに?)。
日銀の役割は、物価の安定化だけではなくさらに複雑になっている。ということは、日銀総裁の決断は日本(及び世界)経済へ大きな影響を与える。その人事を政争の具にしているわけだ。自民党含め、民主党も同罪。政治が信用されなくなるわけである。
そして、最後のプレイヤー「財務省」。
護送船団方式よる旧大蔵省主導の金融行政が崩壊したコトは以前このブログでも描いたが、金融行政部分を金融庁として分離したはずの財務省は、結局今では金融庁と一体となってしまっており、財務行政と金融行政を牛耳っているらしい。企業を取り締まる公正取引委員会も、委員長は財務省事務次官の天下り先とのこと。企業への嫌がらせとして国税を派遣したり…なんて手段も財務省は持ち得ているようだ。
どんな組織でも予算(お金)を握っているところは強い。
これじゃ、誰(マスコミ)も何も言えない。。
また、問題継続中の年金についてだが、一般的に保険は積立方式と賦課方式の2種類あり、積立方式は自分が貯めたお金を後でもらう方式、賦課方式は世代間の助け合いを前提とした方式、そして日本は知っての通り賦課方式を採用している。賦課方式でも多少の余剰金は必要だが、3ヶ月〜1年くらいが世界的な常識、それが日本は6年分も余剰金を積み立てており、総額は230兆円。
元々年金の崩壊という話は「積立金が足りない」というのが出発点。
つまりウソから出発している。
経済的な政策さえ上手く行って、それなりの成長率を維持できれば、年金は問題にならないと紺谷さんは指摘する。
また、医療保険についても、自営業者対象とする国民健康保険は赤字のようだが、企業や公務員対象の保険は黒字。それを赤字だ資金不足だとマスコミを使って危機感を煽り、医療の自己負担率を上げられてしまった。
何故か?
理由は正直考えたくもないし、間違いなくくだらない理由だろうが、シナリオを描いたのは財務省だろう。そんなに自分達の(本来は国民の資産だが…)通帳の額を増やして悦に入りたいのだろうか(「霞ヶ関の埋蔵金」と呼ばれている)。。
今必要な景気回復とは、簡単に言うと「消費」の回復。
初めて知ったが、小泉総理時代に税収(歳入)は大幅に減ってしまったらしい。景気悪化により消費が落ち込んだことが原因。80兆円の年間予算のうち歳入が40兆円にまで落ち込んだ。当然足りない分は国債で埋めるので借金も増える。
何が突破口になりえるのだろう?
考えられるとしたら、「政権交代」くらいか。。
そのためにも、民主党はくだらない政局争いをせず、日銀総裁に必要な素養がある人であれば出身省庁は関係無く配置すべきだろう。今日本には浪費できるだけの人材もいないはず。。
(そもそも日銀総裁に必要な素養は何か?という議論は全く行われていないが。。)
それと、我々国民が少しでも賢くなること。
結局選挙も我々が投票して選ぶわけだし。
経済はかなり疎い自分だが、紺谷さんのお話はわかりやすかった。
この「ミランカ」というサイトは、登録さえすれば無料で視聴できるので(Windows限定だけど)、一人でも多くの人に事実を知ってもらうため、観てもらいたいと切に願う。