本の整理をしてたら、昔買ったけど読んでない本が何冊か出てきた。
その中の1冊。
著者は河内考さん。
毎日新聞社の元取締役。
実質破綻している「販売事業」の損失を、「広告事業」に頼って今までごまかしてきたが、ネットの台頭で「広告」がネット(携帯)に流れ、にっちもさっちも行かなくなった各新聞社。
破綻の原因となる「ビジネスモデル」についてはよく理解できた。
著者が新聞を、そして毎日新聞を愛しているのは、書いてある文章から感じられるのだが、いかんせん新聞各社に自らの「ビジネスモデル」を変革できるほどの自己改革能力は無い。
(はっきり行って「世代交代」くらいしか有効な手は無いと思う)
「広告収入」に頼ってるのに、その根拠となる「販売部数」について正確な数値を把握していない、という時点で終わってる。
変革の鍵は、「新聞が社会にとってあまり意味の無い存在になった(落ちぶれた)」というコトを、業界関係者が認めること。そこがスタート地点だと思う。
「問題」を「問題」と認識すれば、解決策は自ずと見えてくるので。
まぁ、100%無理だと思うけど。
何となく先が見える業界だなってのが、読み終わった後の素直な印象。
とりあえず目次は以下の通り。
第1章 新聞の危機、その諸相
第2章 部数至上主義の虚妄
第3章 新聞と放送、メディアの独占
第4章 新聞の再生はあるのか
第5章 IT社会と新聞の未来図
自分は新聞、テレビの既存メディアはほとんど信頼していない。
各社横ならび、記者クラブに守られながら政府の発表した情報をただ垂れ流し、「権力への監視役」を果たせないばかりか、自らが「権力」と化してしまった新聞、テレビ各社はとっとと消滅してほしいとさえ思っている。
なので、著者の「愛」は全く伝わらない。申し訳ないのだが。。
役割が果たせなくなったのならば、黙って退席すればよい。
引き際が肝腎。
既に役目を終えたのに椅子に必死にしがみつく姿は「軽蔑」に値する。
この本は新聞について書いた本だが、テレビも似たようなものだということはわかる(少なくても「報道」に関しては)。
同じ系列の会社が運営しているのだから。
新聞に関して言えば、紙媒体が消滅することはまず無いが、確実に先細りはするだろう。
そうなったとき、ネットがどうカバーするのか。。
それがIT業界に居る自分たちが考えなければならないコトだろう。
「報道」は社会には必須の機能なのだから。