published by よねさん

スティーブン・ソダーバーグ監督作品。

2009年は1959年に達成された「キューバ革命」からちょうど50年目ということもあり、メモリアルという意味も込めてチェ・ゲバラに関するこの映画が製作&公開された。

主人公はもちろん「チェ・ゲバラ」。
本名は「エルネスト・ゲバラ」(ほんとはもっと長い)。
大変有名な人物なので名前くらいは誰でも一度は聞いた事があるはずだ。

しかし、実は私はゲバラの伝記的な本も映画も今まで何も観たことがない。よって、名前くらいしか知らなかった。なので、学習も兼ねて今回DVDを借りて観てみようと思ったのだ。ほんとは映画が上映されてる時、映画館に観に行こうと思ってたんだけどね。。タイミング逃してしまった。。

で、「28歳の革命」と「39歳別れの手紙」を続けて観た。
「28歳の革命」はキューバ革命が成功するまで、「39歳別れの手紙」はボリビアにゲリラとして参加し、革命成らず捕らえられ殺されるまでが描かれている。

まずアルゼンチン人だったってことに驚き。そして、かなり重い喘息持ちだったのか。。くわえタバコのイメージがずっとあったので、まさか喘息持ちだったとは想像もしなかった。それに医師だったとはね。

キューバ革命は、盟友フィデル・カストロ率いる革命軍の中で、徐々に頭角を現したゲバラが、市民(農民)や政府関係者(政党)など協力者と上手く連携を取りながら、革命を成功させたという事実を初めて知った。

一方、ボリビアの革命(反乱)軍としてのゲリラ活動は、絶望的とも言える戦いを強いられている。政府関係者からの協力を得られなかったのも大きいが、何より大きいのが解放しようとしている「農民からの支持」が全く得られなかったこと。

要因は様々。ボリビア農民が外国人を信用していないこと、ボリビアは1958年に農地改革によりインディア(原住民)に土地が与えられ1966~67年時点ではキューバほど政治への不満が無かったこと(??)、これは推測でしかないが、今に至るも貧しい国のままなので、識字率はキューバ以上に低く農民の知的レベルが相当低かったこと・・・。。

あくまで映画の話なので、実際どうだったのかはわからないが、どうにも猜疑心が強く政府の言いなりになっている農民を見ると、この国で革命など成功する見込みが無いように思えてくる。キューバとはあまりに環境(背景)が違い過ぎる。。

だからこそ、ゲバラは凄いと思う。「愛」と「情熱」の戦士というキャッチコピーだが、それも納得できる。農民を尊敬していたゲバラはそんな農民を決して見捨てなかった。私には出来ないな・・自分達で変わろうとしない人たちのために戦うなんてことは。。

しかし、ゲバラが行ったことは通常政治家が行うべきことだ。農民のために学校を作ったり病院の無い村で医者代わりを務めたり。。しかし、どちらも軍事政権には期待出来ないこと。だいたい、過去の日本もそうだが、軍人が政治をやるとろくな事が無い。「最後は武力で解決」という発想なので。もちろん軍人はそれが仕事なので当たり前。それ自体は悪く無い。しかし、政治は話し合いから生まれるもの。その違いを理解していない軍人が独裁者になると最悪。確実に国は衰弱していく。

そんなゲバラが救おうとしたボリビア。今に至るも経済的に発展しているわけでもなく、農民の生活も楽ではないだろう。一部自業自得ではあるが、やはり中南米の軍事独裁国家を変えるには武力革命しか無いんだろうか。。もちろん農民や政治家だけが悪いのではない。一番の責任は「アメリカ」。ボリビアもそうだし、ゲバラが1950年代に「ラテンアメリカで最も自由で民主的な国」と評したグアテマラの革命もアメリカが影で潰した。ほんとに迷惑な国。これで「自由」と「民主主義」を謳うのはさすがに恥ずかしいと思わないだろうか。。

それに映画を観てて思ったが、ゲバラにしろカストロにしろ、「共産主義者」というレッテルを貼られているが、単に「反米」なだけではないだろうか?しかし、当時は「反米」=「共産主義者」であり、アメリカと国交が結べない以上、対立軸陣営(ソ連)に組するしかない。国連でのゲバラの演説の内容は至極真っ当だと思うし。

しかし、そんなアメリカ支配もリーマンショックで終わりを告げた。今後はロシアや中国などの旧共産国やインドなど他国の力が確実に強まってくる。そうすれば、アメリカの中南米への迷惑な行動も抑制されるだろう。ゲバラが目指した革命が、出来れば民衆的/平和的な方法で達成されることを願う。

・・なーんて感じで、キューバ&中南米のコトを学ぶ良いキッカケになる映画だった。
ソダーバーグ監督もそれを狙っていたのかも。ゲバラという一人の英雄の背景から見える複雑な世界情勢。単にゲバラのカッコいい生き方を観るだけではなく、大きな変化が訪れている世界の情勢も一緒に学ぶと数倍楽しめる映画だと思う。

【参考サイト】
「チェ・ゲバラ」公式HP

今のところ「「チェ・ゲバラ 「28歳の革命」&「39歳別れの手紙」」」にコメントは無し

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