今更ながらの「マトリックス」。
2作目「マトリックス リローデッド」、3作目「マトリックス レボリューションズ」の3部作完結モノ。
作品が作られたのはもう10年くらい前。日本の押井守監督をリスペクトする、アンディ&ラリーウォッシャウスキー兄弟が監督を務めた。キアヌ・リーブス主演。
当時、その先鋭的な映像がめちゃ話題になり、マトリックスのパロディ作品などかなり多く作られた。政治家なども物真似されると一人前と言われるが、映画も同じ。パロディが作られるというのは、それだけ話題の作品だったという証拠。色んな意味でそれくらい衝撃的な作品だった。
3部作全て映画館に観に行ったので、今更DVDで観る必要あるのか?とは思いつつ、よく考えるとちゃんと総括してなかったように思う。特に3作目の「マトリックス レボリューションズ」は1度しか観てない。細かいシーンとかストーリーもかなり忘れてる。なので、この大型連休を利用して再鑑賞したというわけ。
今回改めて3部作を一気に観て、そうかこういう作品だったのか、と改めてわかった。
ストーリーは、割とSFではよくある仮想世界モノ。今回改めて観て感じたのは、ストーリーは結構単純だってこと。わかりやすい。特にひねりも無いし。映像や演出が凄いのでストーリーも複雑のように錯覚しがちだが。。
主人公のネオは、マトリックスというシステムの「ソース」にある程度は直接介入できる存在。サーバへのアクセス用IDとパスワードを持ち、「ソース」を編集できる存在と言える。よって、通常のエージェント(プログラム)は相手にならない。一方、エージェント・スミスは「コンピュータ・ウィルス」。システムのコア部分、カーネル(預言者)すらウィルスに感染させて、自己を増殖させることが出来る。マトリックスから解放された人間と「マトリックス」システム(機械)との戦いは、最後ネオがスミス(ウィルス)を退治する「ワクチン」としての働きをすることで、一時終焉を迎える。
ストーリーとしては実はこれだけ。ほんとに単純。
しかし、最後はトリニティーもネオも死んでしまう。死にオチ作品でもある。
そこがちょっと納得いかなかった。1作目や2作目で死んだり生き返ったり繰り返して、結局最後は死んでしまうわけだ。何故死ぬ必要がある??
まぁ、「救世主(メシア)」が一度死んで蘇るってのは既存宗教でも扱われてるモチーフだし、2度目は無いよってだけの話かもしれないけども。。
「マトリックス」上映以降、最近の映画作品では「マトリックス」レベルでの映像表現は当たり前になってきた。だからこそ、今回その映像表現以外の観点で素直にストーリーの評価が出来たように思う。
結論、ストーリーは並。
ストーリーという観点から見ると、たいした作品ではない。
そういった総括が出来ただけでも、改めて観た甲斐はあった。