クリント・イーストウッド監督、主演の作品。
普段よく聞いてるラジオPodcastの番組でもオススメしてたり、やたらと評判の良い作品なので、DVD借りて観てみようと思い鑑賞しました。
そういえば、クリント・イーストウッド主演作品って久しぶり。
「ダーティハリー」以来かな?それもかなり昔なので内容全く覚えていない。「硫黄島からの手紙」も映画館観に行こうと思いながら、結局行かなかったし。。
さて、この作品は老人と少年との関係性から、互いが変わっていく(成長していく)姿を描いたもの。テーマはありきたりだけど、ほんとにいい作品でした。久しぶりに上質の映画を観た。最近映画館へ行って観る映画が、かなりハズレばっかだったので、余計そう思った。
脚本も良かったけど、何より役者がいい!!
いい役者だなー、イーストウッド。改めて感じた。
味がある!役とぴったりシンクロしてる!!
もちろん、自分と同じ年代の人物を役柄に据えてるからってのもあるけどね。。
この作品の主人公の属性は、また随分とコテコテな「アメリカ人」。
「頑固者」「アメリカ中西部」「銃」「元フォード社技師」「東洋人(黒人)嫌い」「芝刈り好き」。アメリカ中南部にいる保守的なアメリカ人の代表のような属性。作品には出てきてないが、もちろん共和党支持者だろう(笑)。いつも苦虫を噛み潰したような顔をしてる。これが、じいさんになったイーストウッドの顔にほんとぴったり。こんな「頑固じいさんっている(いた)よなー」と、人物のパーソナリティをすぐに理解でき簡単に物語に入り込めた。
ちなみに「グラン・トリノ」は車の名前。フォードの30年以上前の車。
私は免許も持ってないので、車には興味ないんだけど、この作品には作り手の車への愛情が溢れている。
作中で、グラン・トリノを磨いた後で、主人公がお酒飲みながら自分の車を「最高だ」って言ってるシーンなんか、男なら誰しも実感できる感情。
そこもまた男心をくすぐるんだろう。この作品を「傑作だ」って言ってる人は男が多い気がする、完全に想像なんだけど(笑)。。そういう意味では、「趣味的」な作品でもあると思う。
モン族という人種的な問題も少しは扱ってるし、白人社会が徐々に他民族に取って変わられるというアメリカの現状も組み込まれてるけど、人種問題や社会問題はこの作品のテーマじゃない。
年老いた人物がどう周り(社会)と関わっていくか、またどう人生の最後を迎えるべきなのか・・それがテーマのように感じられた。
だからこそ、あのラストにも納得できるし、そこを含めて「良い作品だった」って思えるんだろう。
ついでに、エンディングの曲もすごく良かった。
まだ観て無い人はぜひ見るべし!!
文句なしの良作です。