フォース・カインド「The 4th Kind」。
意味は「第4次接近遭遇」。
この言葉の意味は、映画を観るまで全然わからなかった。
おそらくその業界では有名な言葉なんだろう。なので、知ってる人は映画観る前からある程度のストーリーは読めたんだろうと思う。知らなかった自分としては、映画途中で知ったときに、「えっ!?そっち分野のお話なの??」と、正直驚き&少し失望してしまった。
何故失望したのか?
大抵この手の話は、見るからに怪しい人物が何の論証も無く主観のみで述べてる場合が多いからだ。自分にとって都合が良いデータのみ扱い、信じたい話のみを語る。完全に宗教。見てる側としては辟易。。そんなパターンばかり。
しかし、その点、この映画は誠実だった。
監督は、オラトゥンデ・オスンサンミ氏。今まで氏の映画を観たことは無いけど(ひょっとして初監督作品かな?)、あくまで中立の立場を崩さず、事実のみを積み重ねて、最終的な判断は全て映画の観客に委ねている態度は、すごく誠実だし信頼が置けた。
(下記参照サイトで監督のインタビューページを載せているので、そちらも見てみてくださいな)
さてさて…
ここから先はネタばれ要素が含まれるので、まだ映画観てなくて、何の情報も無くまっさらな状態でこれから映画観たいって人は読まないように。。。
一言でいうと、この映画は「超常現象(UFO)」を扱った映画。
しかも、「知的生命体(人間以外)の拉致」=「フォース・カインド」を扱っている。英語ではアダプション(Adoption)とか呼んだりもする。
まぁ、もっと簡単に言うと、宇宙人が人間拉致して何かを体に埋め込んでるってこと。
この話は超常現象系のテレビやら本(マンガ)やら、それこそ昔から掃いて捨てるほどあるわけだし、今更ではあるけども、この映画が今までと違うのは、「証拠VTRがある」ということ。
「客観的事実がある」ということが、何よりもこの映画の価値を高めている。
映画の主人公は、このVTRを撮った心理学者。アメリカのアラスカ州ノームに当時住んでいた。主演のミラ・ジョヴォヴィッチが演じるのもこの心理学者。彼女が心理学者として扱った患者達のVTR、おそらく心理学者は客観性(事実)を何より重視するからこそVTRを撮るようにしてるんだろうけど、このVTRが役者達の演技とパラレルで画面に表示されるという斬新な演出。この演出はすごく面白かったし、良い効果が出てた。
そして、この患者達のVTRが凄い。
戦慄!ショッキング!!ほんとーに怖い!!
映画のトレーラーとかで怖さをPRしていたが、このVTRがマジで怖い!!!途中何度も鳥肌が立ったし、今思い返してもやっぱり鳥肌が立つ。
なお、これは大変失礼な発言かもしれないが、この心理学者本人も映像として出てくるが、正直言って彼女本人が一番怖かった。ある種の狂気性はたしかに感じた。。。
この映画のポイントは「客観性」。
そして、証拠VTRのみが唯一「客観性」の根拠となる。何故なら、最後ちょっとしたどんでん返しがあるが、この事実によって、主人公のこれまでの発言が全て信じられなくなってしまうからだ。
しかし、VTRはたしかに存在する。これは事実。
では、このVTRが本物の映像であるという証拠は??これは実は無い。というか証明しようが無い。
だからこそ、最終的に観た人が判断するしかない。
信じようと思えば全て信じられるし、信じられなければVTRが作りモノという可能性を否定できない以上、全ての話が信じられない。
この映画は一種のドキュメンタリーでもあるが、ほんとにうまい作り方だなーと思った。UFOを信じる信じないは置いといて、映画の作りとしてほんとに優れている。
さて、私の感想はというと、私は知的生命体は存在すると思っている。
私自身は見たことはないし、霊感も無く心霊現象も経験無いので、生涯この手の超常現象も経験しなさそうな気がするんだが(笑)、これだけ多くの人が見たと証言している以上、UFOは存在するのだろうし、知的生命体も居るんだろうなとは思う。
何より、主人公の心理学者が嘘を付く理由が無いからだ。VTRが作りモノだとして、何故そんなことを彼女がする必要があるか?無いんだよな、、どう考えても。彼女の家庭は今も崩壊したままだし。。だから、彼女の証言を私は信じる。
話はちょっとずれるが、知的生命体(敢えて宇宙人と呼ぶが。。)の存在がよくわからん。。シュメール語使うって映画でも出てきてたが、何でシュメール語?もう6000年くらい前の文明なんだけど?昔シュメール人に教えてもらった?それとも過去のシュメール人が宇宙人?にしても、6000年間何してたの、こいつら?宇宙船作れるくらい文明発達してて、人間の体に何かを埋め込むくらい医学も発展してるんだよね?何でコミュニケーションがシュメール語なのよ??せめて英語くらい勉強しとけよ(笑)言語機能は発達してないのかね??ただ、(アメリカ)政府と宇宙人間では取引あるって話もよく聞く。。何語を使ってコミュニケーション取ってるんだろ??妙にアンバランスなんだよな、宇宙人のイメージって。。
最後に…映画見終わって気になることが1点あった。
数週間前にテレビ東京で放送してる「やりすぎコージー」でUFOについて扱った番組があった。その際に、UFOはこの数年で(2012年までに)かなり実態が明らかになる…という趣旨の話があった。
自分が気になったのは、何故この時期にこの映画が公開されたか?ということ。
VTR映像は2000年のモノだし、既に9年の時間が経っている。ハリウッドはここ最近ずっとネタ不足だったし、こんなはっきりした映像が残ってるのであれば、もっと早くこの映画は撮れたはずじゃないのか??
明らかになるという流れの1つなのだろうか??
うーーーむ。。。まぁ、結局は陰謀説と同じで、疑えば全てが疑わしくなってしまうのだけどね。。
そこも含めて、全て観た人が判断しろってことかな?
超常現象系やホラー系映画ははっきり言って嫌いなんだが、この映画はオススメできる。VTRを観るためだけにでも、お金払う価値はあると断言できる。
挿入された映像もモキュメンタリー(作り物)なんですけど
書き込みありがとうございます。
もちろん「映画」自体作り物ですし、映像に証拠能力なんて無いとは思います。ただし、「作り物」とは断言できないですよね??映像作った本人(あるいは関係者)でもなければ。。
だからこそ、作品として成り立ってるんだと思います。挿入された映像が「作り物」だと証明された瞬間、この映画は終わりですもの。