またまた勝間和代さんの著書。
「読書」について、氏の考え方を述べている本。
個人的には、昔書評を書いた氏の「グーグル化」を読み、その影響を受けてフォトリーディングの講座を受講し、「本を読む」ことの抵抗がほとんど無くなったので、氏の読書感は自分の読書感にかなり影響していると言える。
さて、目次は以下の通り。
第一章 人を進化させる読書がある
ウェブ時代の本と書店の再定義/自分を進化させる本とのリアルな出合い方
読者が進化して著者になると、上場株(=パブリックな人材)になる
ウェブで発見され、約1年で150万部の売り上げに
再現性が高い本は読者に“ご利益”をもたらす勝間式 書店ぶらぶら歩き(1) 「リブロ青山店」編
第二章 進化している「読む」技術
フレームワークがない読書は身につきにくい
本選び基準のひとつは「ウェブや友だちの話より質が高いかどうか」
良書との出会いが読書体験を豊かにする秘訣
自分の読書レベルに合った読み進め方がある
多読や速読など、「読む」技術について
「読んでおしまいにしない」が究極の技術第三章 「書く」人も進化する
深い話を広く伝える手段として、本は最もリーズナブルな流通形態
文章力はブログやメールで進化させることができる
書店は宝の山。“本のコンシェルジュ”を活用するのも手
勝間式「相手がわかりやすく読みやすく書く」ための4つの技術
技術(1)「自分の事例」「アンソロジー形式」を利用して、親しみを持たせる
技術(2)「役に立つフレーズ」を必ず入れ、読書だけに体験を閉じない
技術(3)「共通体験」や「流通していることば」を使って行動を促す
技術(4)「コンテンツ力」と「編集力」で進化していく
ウェブで発見されて著者に進化するには第四章「売る」仕組みを進化させる
出版業界は「プレイス」と「プロモーション」が弱い
好循環を生む基本的な仕組みは「まじめに作って、まじめに売る」
「著者ブランド」を最大限に活用する
リアル書店とネット書店の特徴を生かした「売る」仕組み作りを
ウェブの活用、チャネルの再考…まだある、出版社にできること勝間式書店ぶらぶら歩き(2)「丸善丸の内本店」編
終章 これから「読みたい」「書きたい」「売りたい」と思っているみなさんへ
読書の進化形、印税寄付プログラム
すべての人にフェア(公平)な可能性を秘めている「読書」の世界私を進化させた20人の著者
巻末資料
おわりに
Webと比較した読書の優位性、そして「読む」「書く」「売る」技術などについて述べている。
正直特に新しい知見は無かったが、氏の大きなメッセージとして「本を読み、そして自分で本を書け!!」と言ってるように感じた。それが「進化」の意味かと。
ただし、ブログを書くことは音楽で言えばインディーズでデビューするようなものと書いてあり、その通りだと思うが、その先のメジャーデビューできるかどうか(本を出版できるかどうか)は、あくまで運に寄るところが多いかと個人的には思う(氏の肩書きが与える影響は大きいと思うが、その職歴は本人が希望したとは言え、運の要素も強いだろう)。
マーケティングの世界に足を踏み入れた自分としては、4章の「売る」話が一番興味深くて面白かった。
既存の出版社は「Place」と「Promotion」が足りないという話はなるほどなぁーと感心。たしかに4Pの中でも「Promotion」は特に足りない。新刊などは実際に本屋に行かないとわからないもの。。まぁ、氏も述べている通り、本屋に行くのは楽しいし、ネット書店とは違うリアルな本屋の良さは、実際に行ってみないとわからないものだが、その事に出版社が甘えてる感じはたしかにある。
さて、最近色んな勝間本を読んでみて、勝間さんの凄さは(これは勝間ファンは怒るかもしれないが…)、本の内容(Product)よりも、その「Promotion」の上手さだと思う。
氏の著書や翻訳本である「日本を変えよう」や「史上最強の人生戦略マニュアル」とほぼ同時期に出版し、相乗効果を狙う。また、雑誌やラジオ、様々な場所で露出し、自分メディアを高める。この「読書進化論」では、Amazonのページ(上部画像をクリックすると遷移できます)に本人のメッセージ動画まである。そしてご自身のブログでもPromotionし、書評してくれた人のリンク集なども作る。。
こういう一貫した(自分)プロモーションのやり方は、ほんと勉強になる。
少し残念なのが、「本を書く」という選択肢以外を提示出来ていないこと。。
「ブログを書く」延長には、AmazonやAdsenseなどのアフィリエイトで稼ぐだけでも良いと思うし、ブログ上でもっと活発な議論を行うなどの方向性もあるとは思うのだが(現在ブログは「日記」とほぼ同義になっており、活発に議論するような使い方をしてる人は少ないと思う)、その辺りをもっと深掘りした意見を聞かせて欲しかったかなー、とは思う。
本を書く練習としてだけブログを使うのはちょっともったいない。
そもそも本とは全く違うメディアなのだから。。
Webを生業としてる自分としては特にそう感じてしまう。まぁ、それは自分達が考える必要がある、今後の課題ではあるのだが。。