神永正博さんの著書。
本買うときよく参考にさせてもらってる、小飼弾氏が絶賛していたこともあり、また、統計学を学ぶ何かきっかけとなる1冊を読みたいなーと考えていたこともあり、手に取った本。
この著者さんの本を読むのは初めて。
「出来るだけ簡単に」というミッションを果たすために、難しい統計学用語や数式をなるべく使わないよう著者が心がけて書いたおかげなのか、簡易な文章で大変読みやすくて理解しやすかった、
第1章の「データを見る」では、とにかく生データを見る習慣をつけるよう述べられている。まぁ、これはさすがに分析する上での基礎中の基礎なので、今さらという感じ。とは言っても、その「当たり前」のことをしっかりとやるのが難しいわけだけど。。
個人的に一番タメになったのが第2章「データを読む」。
統計やってる人なら基本中の基本の概念かもしれないが、「平均と分散」という考え方を学べたのは自分にとって大変有意義。統計の本を今までまともに読んだ事無かったので、これはほんとにタメになった。間違いなく今後色々と活用できるだろう考え方。
マーケティングに足を踏み入れ始めたこともあり、データ分析をやる機会が最近増えたが、「平均値」はよく使う。しかし、「平均値」だけだと表現出来ない事象も多い。そんなとき「分散=標準偏差」という考え方を知っておくと、より深い分析が出来る。無意識で使ってたこともあるとは思うが、体系として理解出来たのが嬉しい。
「度数分布表(ヒストグラム)」も分かりやすい表。
これも無意識で使ってたかもしれないけど、今度は意識的に使ってみよう。機会あるときに。
「正規分布」と「べき(パレード)分布」は考え方はわかったが、今イチ使い道がわからない。。ただ、「正規分布」は統計の基本のようなので、とりあえず考え方だけでも抑えておこう。
「相関関係」と「因果関係」の違いには関してはいつも意識してるので、「相関」に関しては特に言うことなし。
未来を予測するのはほんとに難しいが、企画書作ったりするときには避けては通れない。PDCAをしっかりと回す上でも、Planの精度を上げていかないと、その後が上手く回らない。
結論、「統計は今後しっかり学ぶ必要がある」。
避けて通れないな~、こりゃ。
まぁ、良い機会だし、それに気づかせてくれたというのが、この本を読んだ一番の成果。目的通り、統計に関する興味を十分に掘り起こすことが出来たと思う。
今のタイミングでこんな解りやすい本を書いてくれた神永氏と、情報教えてくれた小飼氏に感謝です(Amazonのアフィリエイトできっちり貢献させて頂きました(笑))。
以下は、本を読んで自分用に統計・文献ガイドをまとめたページのリンク
https://yone3.net/book_reffer/toukeishikouryoku.html
(本来は著者に連絡してから載せたいのだが、連絡先がわからないので強引に載せることにします。もし問題あれば連絡下さい)
また、こちらは著者が参考文献をまとめてるページのリンク
http://www.elec.tohoku-gakuin.ac.jp/kami/kaminaga/booksupport_stat_d21.html
そして、以下は目次。
第1章 基礎編●データを見る
それ、ほんとう? まず元データに当たる習慣をつけよう!
1 生データを入手する
2 データを図にする
検証 若者の読書離れはほんとうか?
検証 小泉改革は格差を拡大したのか?
ジニ係数とローレンツ曲線/ワーキングプア・生活保護/
ホームレスとネットカフェ難民・失業と非正規雇用/
平均給与・GDP・貯蓄
検証 連続する事件や事故に関係があるのか?
ポアソン分布
3 専門外のデータはこうして読もう
バイオ燃料が地球を救う?第2章 中級編●データを読む
統計の基本を知って、正しく読もう
1 基本をおさえる 平均と分散
株価の動きに規則性は?/標準偏差
2 足したら出てくる 正規分布
ワイプル分布
3 一を聞いて十を知る 大数の法則
開票率数%で「当確」?/アンケートの偏り
4 分けて考える べき分布
ブラック・ショールズ評価式/安全な資産運用は幻想
5 因果関係と間違えるな 相関
国際学力調査第3章 上級編 データを利用する
過去データから未来を予測する
1 未来を予測する
ブラックスワン/失業率/日本の出生率/中国の繁栄はいつまで?
2 思考を錬磨する オープンコラボレーション
3 自力で考えることの最大の敵