エリヤフ・ゴールドラット博士の新作。
新作と言いつつ、「ザ・ゴール」「チェンジ・ザ・ルール!」など有名な前作の著書をまだ自分は読んだ事が無い。
今回、「複雑さに惑わされるな!」という副題に興味を持ち、前々から1冊は読んでみたいなーと思っていたところ、ちょうど新作が出たので購入した次第。
情報を得るにしろ、インターネットの普及で様々なゴミ情報が蔓延している中、どうやって本質的なデータを選べば良いのか。。その辺は日々悩んでいるが、その解決策として何かしらヒントが得られないかな?そういった目的で読んでみた。
さて、目次は以下の通り。
二つの選択肢
ゴールドラット・レポート あらためて、常識とは何か
なぜ、当たり前のことができないのか
ものごとは、そもそもシンプルである
矛盾と対立
信念を行動に
調和
ゴールドラット・レポート 決して、わかったつもりになるな
ウィン‐ウィン
機会はいくらでもある
ゴールドラット・レポート 販売期間の短い製品
限界なき可能性
明晰な思考とトートロジー
ゴールドラット・レポート コンフォートゾーン(Part1)
人はもともと善良である
ゴールドラット・レポート コンフォートゾーン(Part2)
感情、直感、そしてロジック
フリーダム・オブ・チョイス
娘との対話を通して、また企業へ提出したレポートも途中挟みながら、本書は進む。
この本のエッセンスは、最終章にまとめられている以下に集約されるだろう。
1.人は善良である。
2.対立はすべて取り除くことができる。
3.どんなに複雑に見える状況も、実は極めてシンプルである。
4.どんな状況でも著しく改善することができる。限界なんてない。
5.どんな人でも充実した人生を達成することができる。
6.常にウィンーウィンのソリューションがある
このエッセンスは何となく哲学的な話の印象がある。
どれもすごく大事なことで、その割にちゃんとそのことを意識して実践するのは難しいのだが、要するにこの事を前提とした上で「ひたすら考え続けろ(脳みそに汗をかけ)」ってメッセージなのかな?と自分は受け取った。
明晰な思考が何を指すのかは、正直よくわからなかった。
フレームワーク(考え方の枠組み)を持ちつつ、常にその前提を疑い、改善案を考えること?それを続けていけば、その思考の過程を短時間に圧縮できる。それが「明晰な思考」かな?まぁ、これはあくまで自分の中の定義でしかないが。。
「感情」⇒「直感」⇒「ロジック」という思考の流れはわかりやすかった。
たしかに「好き」って感情が重要。対象に興味を持っていないと、深く考えようと思わない。
(・・ということは、「知的好奇心」が何より大事ってことか。スタート地点だし。)
目的とした、混沌した情報の中から取捨選択する具体的な方法などは提示されていなかったが、これも結局は自分で考え続けるしかないってことかな。。
具体例を交えた話は面白くて大変読みやすかった。
これならば、前作も面白いと期待できる(大人気作なので面白くないわけないとは思うが。。)
また、時間あるときに前作も読んでみようと思う。