しばらくブログ更新サボってました。。
この本も読み終わったのは1ヶ月以上前だけど、やっとブログにまとめられる。
(ワールドカップのせいだな、きっと(笑))
さて、本書は勝谷和代さん、宮崎哲弥さん、飯田泰之さんの共著。
お3方ともそれぞれ今まで本やらテレビやらラジオやら、色んなところでその意見を聞いてるんだけど、その3人が「経済」について、もっと簡単に言うと「デフレ」について対談形式で語った話をまとめた本。
本の主張は大変シンプル。
タイトルにもある通り、日本経済復活の一番かんたんな方法=「デフレの克服」ということ。
目次は以下の通り。
はじめに
第1章「失い続ける日本」の課題–閉塞感を打破するために
【コラム】GDPって何?
第2章 デフレは百害あって一利なし–実力を発揮できない日本経済
【コラム】フィリップス曲線は消滅したか?
第3章 正しい金融政策を実行せよ–デフレ脱却のポイント
【コラム】勝間的・脱デフレのための「5つの提言」
編集後記 荻上チキ
勝間・宮崎・飯田の推薦本
第1章では何故ここ10~20年間日本が「デフレ」が克服できなかったのかを、第2章では経済学的な裏付けを交えつつ、何故「デフレ」が問題なのかを、第3章では「デフレ」を克服する具体的な方法(政策)を論じたりしているが、全てが「デフレを克服すれば良い」という結論に収束しているため、1冊の本としてはそれほど厚みがある議論ではない。
新書だし、対談なのでどうしても内容が薄くなるのは仕方ないかな。。。
第3章の具体的な方法としては、日銀による金融政策=円の供給を増やしましょうって話なんだが、最近鳩山政権から菅政権になり、インフレターゲット云々という議論も出始めている。やっと日銀の尻を叩き始めたかって印象だが、少なくとも鳩山さんよりは菅さんの方が、「デフレ」に対して危機感を持ってるということだろう。
この本でも、勝間さんが菅さんに提言(ロビイング)したと言っていたが、その辺の根回しが効いてきたということかな??
正直、昨日「デフレの正体」という本を読み、現在の経済状況の悪化は、景気の問題ではなく人口動態の問題だって結論が腑に落ちた身としては、円の供給増やしたところで、「デフレ」が回復する(物価が上げる)とは到底思えない。今は需要不足=供給過多の状態なので、円の供給増やしたところでさらに供給過多になるだけ、それをどうやって皆(消費してくれる人達:若者)のお財布へ回して消費を喚起できるか?
そこが肝。
消費へお金が回らない限り、物価が上がるわけがない。。。
インフレ率と失業率の相関関係も語られていたが、そりゃ、インフレ率が高まれば失業率も下がるだろう。問題は「どうやってインフレ率を上げるか(物価を上げるか)」という点。その対策を「日銀の金融政策」だけに収束させてしまっては、ちょっとお粗末な感じがしてしまう。3人ともその腹案は持っているのかもしれないが、そこまで本書で語られていなかったのは残念なところ。
ただ、対談形式だけあって、かなり読みやすい本。
結論もわかりやすいし(笑)
新書としてちょうど良いサイズでしたね。