「マル激」(1)

最近良く観ているインターネットのビデオニュースがある。
それが「videonews.com(通称:マル激)」という番組。

ジャーナリストの神保哲生さんと、社会学者の宮台真司さんが、毎回ゲストを呼んで大手メディアが取り上げないようなネタの掘り下げをやっている、凄く勉強になる面白い番組だ。

本も4册程出てて、3冊読んだんだけど、目から鱗落ちまくりの内容でほんと面白い。
9.11テロ以降のアメリカについて、また日本のメディアや政治、そして官僚のモラルハザードやその対抗方法などなど、非常にためになる内容になってる。

しかし、読めば読むほどだんだんと暗くなってはくる…(笑)それはこの日本のどうしようもない現状が、あからさまになってくるから。

まずはアメリカ。
9.11以降、かなり強硬な路線を進めてきた共和党ブッシュ政権だけど、その閣僚達が石油メジャーとかなり濃密な関係であり、つまりはイラク戦争は国際的な同義に基づいたものではなくて、完全な利権争いにしか過ぎなかったということ。そして、それを止める術を、現時点では世界中の国が持っていないということ。
かなり暗澹たる気持ちになってくる世界の状況。

面白かった情報としては、ブッシュが南部出身で、未だにカウボーイスタイルを路でいってるような、そんな粗野な部分を押し出してて、こういうちょっと短絡的な人たちが、アメリカ東部のエスタブリッシュな人たちよりも票田、サイレント・マジョリティーになっており、その結果人気を得ているという指摘。

ただ、それでもアメリカではまだジャーナリズムが生きてることや、国民の民度(政治への関心度)はそれなりに高そうなのが羨ましいところ。。

…さて、他の国の話よりも、日本の話だ。

メディアのどうしようも無さは、日々のテレビ番組をちょっと観れば気づくと思うし、気づかない方がどうかしてる思うけど、この本を通してその構造がより深く理解でき、どうしようも無さが決定的になった。
通常、先進国ではあり得ない、新聞/ラジオ/テレビを一社で所有できる「クロスオーナーシップ制度」が認められてることや、新聞価格が需要と供給のバランスで決定されない「再販価格」の問題。また、各省庁が持っている「記者クラブ」の情報を垂れ流すことしかない出来ない各社の報道体制。
そして、そういうバックグラウンドから長年培われてきた、各社既得権益に胡座をかいた横並びの談合体質。
まぁー、知れば知るほど今のメディアには改正の突破口が見いだせない。。

マル激のような革新的なメディアが、インターネットを通して芽吹くか、あるいは志が高い人間がメディア業界の内側から変えていくか(それには当然数十年かかってしまうけど。。)…それくらいしか打つ手が見当たらない。

もちろん政治発で記者クラブのような悪制度を変えるのが一番手っとり早いんだけど…。

今のところ「「マル激」(1)」にコメントは無し

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