TPPについて思うこと

TPP=環太平洋戦略的経済連携協定について思うことを今更ながらまとめてみたい。

きっかけは「反TPP論」を読んだこと。小林よしのりさんの本読むの久しぶり。昔は「ゴー宣」よく読んでたんだけど。

ただ、読んでみて思ったけど、たいして論点が無い。

 

自分が気になったのは以下2つくらい。

  • 農業の競争力UPにつながるか?
  • 一般市民にメリットはあるか?

まずは「農業」について考えてみる。

農業

まず「生産量(額)」について。
GDPに対する農業の比率は約「1.5%」(8兆円ほど。世界で5位)。諸外国でも「1.0%」ほどらしいので、割合はたいして変わらない。多くも少ないも無い。問題なのは、その量で「国民の食を賄えるか?」ということ。

で、その賄える量である「自給率(食の安全保証)」なんだけど、「食料自給率 40%」という話はよく出てくるが、これは農水省がプロモーションした結果流布した数字。この「40%」という数字は、「国産供給カロリー/全供給カロリー(1人1日あたり)」を計算式とした「カロリーベース」の自給率でしかない。当然野菜などはカロリーが少ないので、いくらたくさん作っても分子のUP=自給率UPにはつながらない。農家が自分達で作って食べている食材も分子に含まれないので同様。また、ファーストフードやコンビニ等で廃棄される食料、つまり誰にも食べられていない食料も、分母に含まれてしまうので自給率Downにつながっている。

「生産額/消費額」を計算式とした「生産額ベース」での自給率は、2007年の数値で「66%」とのこと。十分な数値ではないけど、カロリーベースに比べると随分高い。

この「生産額ベース」の数字を公表しないという事実だけ見ても、農水省の意図が見え隠れして、かなり胡散臭い指標と思える。

そもそも、この「自給率」と、GDPなどのように国際的に通用する指標ではなく、農水省が独自計算した指標で、他に採用している国は無いらしい。

ってことは、「生産量」を比較する指標が無いってことか?
うーーむ。。とは言え、何らかの指標が無いと評価しようがない。ので、生産額ベースでの自給率を「100%」にすることを大目標にして対応進めていけばいいように思う。2015年に「75%」にする目標が閣議決定してるらしいので、着実に増やしていけば良い。「カロリーベース」の指標より、よっぽど信頼が置ける。

※農業に関するこの辺りのデータは、以前読んだ「日本は世界5位の農業大国」という本が詳しいので、興味ある方は読んでみてください。

で、「競争力」なんだけど、以下2点が、少なくとも農業に関しては、TPPに参加するかどうかの論点なんだろうと思う。

競争力が上がるのか?
その結果として、生産量と自給率がUPするのか?

競争力が無ければ、結果、他国の食料を輸入する量が増えて、国内の生産量は減り、自給率もDownする。結果として、就業者人口も減るだろう。

現在は農業就業人口が「260万人」ほどらしいが、これは高齢者も含まれた数字。既に働けない人も入ってる。農業に定年なんて無いんだし。あとは新規就業者はどれくらいいるんだろう?数字は調べてないけど、それほど多いとは思えない。

本で書かれてるけど、農業の現場ではTPP参加に反対してる人が多いらしい。やってく自信が無いのと、環境が変わるのが嫌なのと、両面あるんだろうな。。まぁ、こればっかりはやってみないとわからない。上手く適用できる可能性もあるし、成功するってわかれば新規就業者が増える可能性も無いわけじゃない。

もっとも、これも本で指摘されてるけど、日本の田園風景が変わる可能性はたしかにある。個人的には競争力が少しUPするよりも、田園風景を残してほしいなぁ、と思ったりはする。まぁ、これは非農業者で農業の現場を知らない部外者である自分のノスタルジーにすぎないけど。。

次は市民のメリットについて考えてみる。

市民のメリット

考えてみる・・と言っても、実は結論はもう出てる。
小林さんの意見と全く一緒。一般市民にメリットなんぞ無い。TPPは農業以外も対象になるわけだが、仮にTPPで企業が儲かったとしても、労働者までお金が落ちてくるはずがない。

これはここ数年の状況を見れば一目瞭然。本にも書かれてる通り、企業が内部留保をふくらませ続けているのは事実。労働者に分配すりゃーいいのに。。「自分だけ良ければ良い」「自分の給料だけは下げたくない」という経営者の考えの現れ。欧米人(特にアメリカ人)のように、日本人も「本能の壊れたサル」になりつつあるのかな?

それに、そもそもTPP参加して農業以外の業界の企業が儲かるのか?
関税が撤廃されたとしても、参加国はシンガポール、ニュージーランド、オーストラリア等のそれほど人口が大きく無い国だし、何よりアメリカは確実に不平等条約を結ぼうとしてくるだろう。その交渉に勝てるのか?そして、儲けられるのか?そんなに勝算があるんだろうか?

この辺り、推進派の人にしっかり聞いてみたいな。。

結論

結局、「農業」と我々市民の「メリット」の2つの観点からTPPについて考えてみたけど、参加する意味はほとんど無い、って結論になる。自分の考えとしては。

せいぜいメリットと言えば、「農業の競争力UP」、というより外圧により強制的な構造改革が出来る、結果的に競争力がUPする「可能性がある」って点くらい。改革くらい自分達の国だけでやればいいんだけど、この国はそれがいつまで経ってもできない。どの業界でも。大変情けない。。。

いずれにせよ、改めて考える良いきっかけになりました。

今のところ「TPPについて思うこと」にコメントは無し

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