published by よねさん

おなじみ「マル激」ビデオニュースにて、面白い内容のニュースがあった。

山崎養世(やまざきやすよ)さんという、元ゴールドマン・サックス投信の社長だった方がゲストで登場し、つい最近5月1日に「三角合併」という企業買収の制度が解禁されたコトにより、外資の日本企業買収が加速されるという脅威論を、鼻で笑い飛ばすような解りやすい論説を繰り広げてくれた。

日本企業は今は買収されるほど魅力は無いのだと。。
現に解禁されてから特にどこかの企業が買収されたというニュースも聞かない。

じゃ、何でこんな魅力が無いのか?

日本は自動車や精密機械など製造業は世界的な企業が多いんだけど、ヒト&モノ/カネ/情報を回す役割の「道路」「銀行」「メディア」がダメなんだと山崎さんは指摘する。

たしかにね。。メディアのダメさ加減は今さら説明するまでも無い。国際的な競争力はNHK以外の民放各局にはほぼ無いだろう。

銀行もバブル崩壊以後、不良債権問題は税金投入して何とか回復したが、不良債権を生んだ体質が変わったわけじゃなく、その責任を取るような様子も無い。バブルの反省で向かった先は、回収が見込める確実な融資先しかお金を貸さないという情けない方向。今の時代にそんな上手い融資先なんてあるかって。。おかげで銀行にはお金が余ってる状態。お金を回す本来の役割を全然果たしていない。

そして、ヒトとモノを運ぶための道路。
山崎さんは高速道路無料化論者だ。
たしかに、話を聞くとスゴく納得できる。高速道路を無料化した方が、地方へもっとヒトやモノ、そして企業も移動ができる。東京一極集中も緩和される。そうすれば地方で魅力的な産業が育つ可能性も高くなる。

何より満員電車が解消される。東京住んでて何が嫌って満員電車だ。あれほど不快なモノは無い。自転車通勤にしてからだいぶ解消はされたけど、それでも雨の日とか乗る必要はある。とにかく乗ってる人の顔が暗いんだ。朝から見てて陰鬱になる。おそらく喜んで乗ってるヒトは一人も居ないだろう。。

日本は筋肉や骨はしっかりしてるけど血液やリンパ液が上手く循環していない、という喩えはスゴく解りやすい。

このニュースを見た後で、速攻で山崎さんの本を購入。
スゴく面白かったです。

その本は「米中経済同盟を知らない日本人」。

本の内容はニュースで話してた事とかなり重なってるけど、恐慌が起きなくなった世界情勢とその中でのアメリカと中国の経済同盟、そして日本の現状。また、過去の植民地時代の歴史を遡り、また日本では聖徳太子の時代まで歴史を遡って、今後の日本が取り得べき選択肢を提示していく。

特に、聖徳太子が儒教、仏教、神道を混合させて日本の倫理観の基礎を作ったという話は目から鱗。しかも儒教は中国、仏教はインド、神道は日本固有の自然信仰、その3つを合わせた倫理感や道徳が、武士道の基礎にもなっているとのこと。そう考えると、日本人が中国やインドなどアジアにシンパシーを感じるのも当然なのかな。。

また、第1大戦から第2次大戦への歴史を、イデオロギーの衝突ではなくて経済的な理由から戦争が引き起こされたとする話は面白い。近代化に成功して経済大国となったドイツ帝国が、先に植民地政策を広げていたイギリスやフランスと衝突した第1次大戦、敗戦国となったドイツ帝国が解体しワイマール共和国になったが、ヨーロッパ戦勝国が課した膨大なワイマール共和国への負債のため、紙幣がティッシュより価値が低いと言われる程のハイパーインフレが起こり、やっと回復したかと思ったら1929年の世界恐慌で経済は再びどん底へ。。ヒトラーが生まれる要因となる。

アメリカは、当時の外交政策はモンロー主義によるヨーロッパの出来事には我関せずだった。事実、第1次大戦も参戦したのは終わり間際の1917年。対戦でボロボロになったヨーロッパとは対象的に、一人勝ちの繁栄を謳歌していた。しかし、そこへ世界恐慌が。。経済的な打撃を追い、経済は縮小し内需中心へ。ヨーロッパ各国も連鎖的に打撃を受け、イギリスのブロック経済など、反鎖国状態へ。そうなると、資源の少ない日本はさらに被害を受けることに。。世界恐慌からの脱却は世界の中でも早かったが、他国からの資源輸入は見込めないため、資源を中国へ求める戦略的な失敗を生む結果となる。。

現代から俯瞰して見ると、中国への侵攻は完全に誤り。
朝鮮半島は、元々近代化してもらって同盟を組もうと考えていたようだが、当時の朝鮮はそんな見込みも薄く、ロシアの脅威から身を守るため侵略をする結果となったのはまだ理解はできる。けど、中国への侵攻は明らかに戦略的な失敗。当時の情勢を考えると、中国と組み、中国を守ろうとしたアメリカとも組んで、ヨーロッパ諸国の植民地政策と戦うという構図が一番良かったんだろうと思う。中華民国を成立させた孫文もそれを望んでいたようだし。。

まぁ、これは今だから言える事ではあるんだけどね。。。

2度の大戦から、冷戦の対立、冷戦後の世界まで予言をしていたのは、「永久平和」を唱えたドイツの哲学者カントだったらしい。「永久平和」とは、人間は本来は平和的な生き物だ、という話ではなく、逆に敵対しているのが当たり前だと説く。だからこそ、自分たちの安全のために、互いに安全を保障する体制を作るべきだと。。

戦後はそれが「国際連合」という形になったが、うまく機能はしていない。
国連に対して日本が働きかけて状況を変化させるのは現状難しいが、中国やインドに対して日本が役立てることはまだまだたくさんある。今後しばらくの間世界の工場となる中国と、世界の頭脳(IT技術生産国)となるインドとの関係が、日本の将来を握る鍵になるだろう。

国内では「地方分権」が鍵。
冒頭でもあったように、高速道路を無料化して地方を活性化させる。
観光業や農業など、まだまだ潜在能力を発揮していない分野はいくらでもあるのだ。

観光業や農業は一例だが、ヒト&モノ/お金/情報を流すコトはどんな状況でも大事なこと。これがうまく機能していない現状は早急に変える必要がある。その上で、様々な資源を活用すればいくらでも道は見いだせる。そういうメッセージを山崎さんは発しているように思える。

心の奥底に、かなり深くまで響きました。
(真面目な話、こういう優秀な方に自分の会社の社長になってほしい。。(笑))

日本の未来はまだまだ捨てたもんじゃないぞ!!

【関連ニュース】
誰のための三角合併なのか
 ※このサイトのビデオ視聴は有料です

アメリカ&中国との関係と日本の歩む道」に1件のコメント

コメントを残す