published by よねさん

シェア <共有>からビジネスを生みだす新戦略
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レイチェル・ボッツマンとルー・ロジャースの共著。
ここ数年観た本の中でも1番と言って良いくらいのヒット作!素晴らしい名著!!

何を仕事の軸にして生きていこうか、今年(今後)の目標を立てる上で色々と悩んでいたのだけど、大げさではなくこの本を見て方向性が朧気ながらも見えてきた気がする。それくらい影響を受けた。

ちょっと長いが以下に目次。

イントロダクション──私のものはあなたのもの

■パート1 新しいシェアが生まれるまで
第 一 章
もうたくさんだ
「使い捨て生活」の始まり/レンタル倉庫/自分の所有物に所有される
第 二 章
ハイパー消費の時代
ハイパー消費/説得の力/ディドロ効果/今買って後払い/ライフサイクルの法則/ゴミをデザインする/「あとひとつ」症候群
第 三 章
「私」世代から「みんな」世代へ
昔の美徳を取り戻す/ローカル市場の再興/「みんな」世代/快適にシェアする/数の力/インターネットを使ってインターネットから離れる/消費主義を超えてまたつながる

■パート2 グランズウェル
第 四 章
コラボ消費の登場
コラボ消費のシステム/プロダクト=サービス・システム(PSS)/再配分市場/コラボ的ライフスタイル/コラボ消費の四大原則/社会的承認/余剰キャパシティの活用/共有
資源の尊重/他者との信頼
第 五 章
所有よりもすばらしい──プロダクト=サービス・システム
「脱所有」/レンタル革命/メンバーみんなの集合知/P2Pレンタル/シェアへの抵抗感をなくす/サービス・エンヴィー/カーシェアを「かわいそう」から「かっこいい」に/「搾取し、製造し、廃棄する」サイクルを止める/大規模なシステムをつくり直す
第 六 章
因果応報──再分配市場
「取引コスト」がなくなる日/需要と供給のマッチング/脱消費/私があなたを助ければ、だれかが私を助けてくれる/邪魔をしない/心の中の「公平さ」のものさし/未来の影/中古品の価値/キミにこれをあげるから、ボクにあれをちょうだい/スワップ・トレードの六次のへだたり
第 七 章
みんな一緒──コラボ的ライフスタイル
取引しよう/コミュニティ通貨/ソーシャルレンディング市場/イーベイ+ペイパル+マッチ・ドットコム/別々に同じ場所で働く/シェアをカウンターカルチャーではなく、カルチャーのコアにすること/ヴァーチャルなコミュニティをリアルな世界で実現する

■パート3 何が起こるか?
第 八 章
コラボ・デザイン
最初にシステムをつくる/これがほんとの一生モノ
第 九 章
コミュニティはブランドだ
ブランド伝道師たち/自由にさせる/ノーブランドというブランド
第 十 章
シェアの進化
消費者のマインドセットを変える/評判の口座/価値を定義しなおす/歴史的なターニングポイント

この本の主張はかなりシンプル。
「様々なコトをシェアしましょう、これからの時代は」ということ。

まずはパート1で、これまでの消費社会がどれくらいモノを無駄に使ってきたのかを説明している。これは大抵の人であれば実感できるはず。それくらい我々は様々な資源を無駄にしてる。食べ物、服、電化製品などのモノに留まらず、気温(室温)や時間、空間(スペース)などなど。無くても良いモノに囲まれて生活している。アメリカの例だが、レンタル倉庫などその典型。その無駄の代償は、森林や川や海や空気や土などの汚染。今や自然の治癒力でも回復出来ないレベルにまで達している。私はそれほどエコを気にする方ではないが、それでも無駄が多い、自然に悪いなーと感じるもの。。

で、著者はパート2で「コラボ消費=シェア」という概念を提唱する。

大きな軸は以下の3つ。

・プロダクト=サービス・システム(PSS)
・再分配市場
・コラボ的ライフスタイル

1つ目の「PSS」は、ある商品(プロダクト)を所有しなくても(「脱所有」)利用した分だけ費用を払えば良いという考え方。あまり使っていない私有物を、シェアすることで最大限に利用できる。車や自転車やブランド品、太陽光発電、おもちゃ、映画、P2Pなど。たしかに、カーシェアなんかは、都会では最近良く聞くようになった。駐車代のこと考えると、自家用車持つのはアホらしいもんな。。

2つ目の「再分配(市場)」は、5つの「R」(リデュース・リサイクル・リユース・リペア・リディストリビュート)と紹介されている。要するに「中古市場」のことだ。これは日本にもあるのでイメージしやすい。Yahooオークションが典型。ただし、今までの中古市場と違うのが「お金」を介さなくても良いこと。物々交換もあり。地域通貨やポイントなども。また、このシステムでは、ヤフオク同様、「評判」が決定的に大事。「私があなたを助ければ、だれかが私を助けてくれる」という考え方がベースにある。だからこそ「評判」が低い、他人を助けない人とは誰も繋がらなくなる。

3つ目の「コラボ的ライフスタイル」は、目に見えにくいモノ、時間や空間、技術やお金などの資産を共有する考え方。地域レベルで広がっているらしい。時間のシェアは読書共有(シェア・リーディング)だったり、空間は車の空きスペースを利用したサービスだったり、技術(知識)は何か別のモノと交換したり、お金もソーシャル・レンディングなど、銀行を介さずにピア・ツー・ピア(P2P)でお金の貸し借りを行ったりするサービスが既に世界では始まっている。

また、上記3つの軸に共通する、4つの原則として以下を挙げる。

・クリティカル・マス
・余剰キャパシティ
・共有資源の尊重
・他者への信頼

「クリティカル・マス」に到達する時点が「ティッピング・ポイント」。その手前には「キャズム(溝)」があるが、そのキャズム超えを果たせば「ティッピング・ポイント」に到達できる。やはりそれなりの規模は必要。それだけ選択肢が多くなるわけだし。コミュニティへの参加人数多ければ、「仲間意識」も刺激されてより強い動機にもなる。

「余剰キャパシティ」は、コラボ消費の肝と言っていい。
人々が自分の「余剰キャパシティ(エネルギー、スペース、モノ、食品、スキルなど)」をどのように分配し直すか?
コラボ消費(シェア)とは、結局この考えに尽きる。

「共有資源」=コモンズの尊重、社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)の重要性は今更言うまでもない。また、「他者への信頼」も同様。そもそもシェアは他者を信頼できなければ始まらない。

パート3では、実際にこのシェアモデルをどうやって持続可能(サステナビル)なシステムにするか、という方法論を紹介している。ある工業デザインの教授が提唱している「利用の円滑さ」「サービスの複製可能性」「アクセスの多様性」「コミュニケーションの強化」という4つの要素はすごく興味深い。この4要素は実際に運用していく上で必要か。。サービス考える上で参考にさせてもらおう。

・・さて、1つ1つ本書の内容を追ってったが、この全てを実現しているのが「インターネット」、IT技術というのが何とも素晴らしい。余剰キャパシティがどれだけあっても、「マッチング」出来なければ意味が無い。「需要」と「供給」のマッチング。IT技術はこの「取引コスト」をほぼゼロにしてくれる。IT業界で働く身として、自分がその大きなうねり(グランズウェル)の中にいると思うだけで楽しくなってくる!!

また、大きな流れとして「中間業種」が無くなっていく、というのは良い傾向。
私は、役に立たない会社が間に入ってるだけで中抜きするのが一番頭にくる。何の役にも立ってないだろ?おまえら?と思うコトがよくあるし。広告代理店などその典型だが、リアルプロダクトを作ってる人達より中抜き業者の方が稼いでいる現状は明らかにおかしいでしょ。

銀行も同じ。中抜き業種だ。
しかも顧客は銀行に対してお金を貸しているのに、お金引き出す(返してもらう)のにさらにお金がかかるなんて仕組みは「悪徳商法」でしかない。以前「洗脳支配」や「金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った」を読んで、「信用創造」や「金利(利子)」の仕組みは詐欺だということを学んだが、この「リアルマネー」の嘘臭さに、リーマンショックが契機となって、皆が気付き始めているのではないのかしら?P2Pで個々人を結ぶ「ソーシャル・レンディング」や、「リアルマネー」を介さない物々交換などの新しい動きの裏には、そんな背景があるのかも?と考えるのは、ちょっと楽観的すぎるかな。。

いずれにせよ、重要なのは「信頼」だ。

実は今の日本では、この他者への「信頼」が一番ハードルが高いんじゃないか?と少し心配だったりする。

間違いなく「個人情報保護法」という悪法のせいだが、学校では住所を掲載したくないというバカな大人の要望を受けて学級名簿すら作れなくなってると聞く。そして、仮にあなたが今一人暮らしだったとして、隣に住んでる人の名前を知ってるか??ちなみに私は知らない。改札にもポストにも名前が全く書かれていないんだもの。これでどうやって「信頼」関係を築けるんだ?

FacebookやTwitterなど、最近のソーシャルメディアは実名が当たり前になっている。まぁ、Facebookという名前の通り、顔写真や本名を晒さなければ、これらのツールは使う意味が無いのだけど。はっきり言って、隣に住んでる名前の知らない人より、Facebookで名前と顔を晒しFriend登録している遠くに住んでる人の方が信頼できる(笑)

ただ、その人の顔が見えて信頼できれば距離は関係無いのだけど、「共同体(コミュニティ)」の1つとして近くの「地域」はベースにするべき。。

様々なモノをシェアし、「信頼」できる人達と複数のコミュニティを築き、自分達の居場所を作ることが出来るか・・この本を読み、今後その可能性を探っていきたいという想いを強く認識できた。

今年の始めに絶対に絶対に読んでおいた方が良い本です!!!!

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