published by よねさん

なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)
なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか(祥伝社新書226)

若宮健 氏の著書。

タイトル通り、韓国は2006年にパチンコを全廃したらしい。
こんなニュースは日本のマスコミでは全く報道されていないので、今まで知らなかった。流行っていたことすら知らない。

とりあえず、事実を知りたい。そう思って本書を読んでみた。

まずは目次。

一章 なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか
二章 なぜパチンコは、廃止されねばならないのか
三章 なぜ日本は、パチンコを廃止できないのか

大変わかりやすい構成。
韓国が廃止できた理由 ⇒ パチンコが廃止されるべき理由 ⇒ 日本で実行できない理由、という流れ。

韓国では「メダルチギ」という名前で流行っていたらしい。当時は全国約15,000店ほどあり、売上げは日本円で約3兆円、しかも驚いたことに「24時間営業」だったとのこと。日本のように玉を打つ形ではなく、日本から卸した中古台の釘を抜いて、メダルを使って遊べるように改良したものだったらしい。

しかし、こんな中毒性の高い娯楽が24時間営業って・・考えられんな。。

韓国では、大統領の親族が金銭的に絡んだ政治事件に発展し、マスコミが徹底的に叩いて、国民もその意見を支持し、当局が動いて一気に全廃したようだ。この辺りのスピード感は韓国はスゴイ。日本も見習うべきところ。

で、一方の日本だが。。

パチンコ店舗数は韓国同様全国に約15,000店だが、なんと売上げは年間約21兆円!!なんだ?この金額は。。パチンコ店の業界大手「マルハン」の2010年3月度の決算では、売上げ高が約2兆円、経常利益が約600億円とのこと。経常利益率は3%ほどなのでそれほど割の良い商売ではないようだが、絶対額が大きすぎる。。それだけみんなお金を使っている(それだけ他のコトにお金使っていない)ということだ。

日本ではパチンコに絡むプレイヤーとして以下が挙げられる。
パチンコ店(経営者の8割が北朝鮮・韓国系で、2割が台湾・日本系とのこと)/メーカー/警察/政治家/マスコミ、そして当然一般国民。

パチンコの規制について「警察」は全く期待できない。天下り先なので。パチンコ店の認可も警察が、パチンコ台の検査も警察OBが多数天下ってる団体が行っているため、警察はパチンコ業界の既得権益者(ステークホルダー)なのだ。理由は「お金」。規制を行うはずが無い。

で、「政治家」だが、この国の「政治家」は本当に頼りにならないが、当然この件でも頼りにならない(笑)なるわけが無い。何故か?資金が回ってるから。理由は「お金」。わかりやすい。

そして、一番害が大きいのが「マスコミ」。韓国ではマスコミが報道したからこそ国民感情が盛り上がって全廃の道へ進むことができた。しかし、現在テレビなどで「パチンコ店」や「メーカー」のCMがバンバン流れている。日本のマスコミは「お金」をくれる団体の悪口は絶対にしない。自己規制する。クソである。ジャーナリストとしてのプライドが一切無い。大手メディアはとっとと潰れてしまえ、と心底思う。

最後に、パチンコを規制した方が良いと私が感じる理由を。。

私も最近までパチンコやっていた。今年2011年から思うところがありパチンコ断ちをしたのだが、だからこそハマる人の気持ちはわかる。単純に面白い。儲かると嬉しいし。だから「ギャンブル」自体は否定しない。そもそも、ビジネス(起業)なんてリスク覚悟でリターンを得る「ギャンブル」そのものなのだから。で、「ギャンブル」には中毒性がある。私はこれは直接規制の理由にはならないと思う。「タバコ」や「お酒」だけじゃなく、「ゲーム」やそれこそ「読書」など趣味的な事でも中毒性の高い行為は山ほどある。マラソンであればランナーズハイとか脳内麻薬出まくりの状態、「スポーツ」にも中毒性はある。

では、何故規制した方が良いと思うか?
人々の生活を破壊するから」である。

これは「何故、人を殺したらいけないのか?」という問いにも通じる答えだとは思うが、それが「共同体(コミュニティ)」を破壊するから、人々が安心して生活できなくなるから、「殺人」はどの国でも禁止されているのだ。

覚せい剤などの「麻薬」が禁止されてて、「タバコ」や「お酒」が禁止されていないのは何故か?
同じ理由だ。自分達の周りを見ればすぐわかる。「タバコ」好きで生活できない人がいるか?「お酒」好きで生活できない人がいるか?(もちろん、アルコール中毒までいくと別だが。。要は程度、絶対数の問題。)自分の周りにもタバコ好き、酒好きはいっぱいいるが、普通に会社に来て仕事をし、普通に生活している。しかし、「麻薬」にハマると普通の生活ができなくなる。だから禁止されている。

では、パチンコはどうか?

正直、まだ生活できるレベルだとは思う。麻薬などと違って自制はできるので。しかし、本書でも触れていたが、パチンコ店にATMが設置されるなど、最近明らかに常軌を逸してきている。私も最初見たときは引いた。「これってやりすぎでしょ?」と。それに、冷静に考えて、これだけ駅前に公営ギャンブル場が乱立してるのは異常。仮に韓国同様、24時間営業になってしまうと、確実に今よりパチンコで身を滅ぼす人は増える。現在のタガが外れたパチンコ店/メーカーのテレビCMの量や、政治家/警察の現状を考えると、そこまで日本は突き進んでしまうように感じてならない。

だから、「今のうちに」規制した方が良いと思う。

「そんなの、自己責任だ!」って論調も見かけるが、これは論外。
「スポーツ」も「お酒」も「タバコ」も、それこそ「麻薬」ですら、その結果は全て「自己責任」だ。「自己責任」ってのは、都合が良い思考停止ワードでしかない。

しかし、本当に最近の日本は「お金だけしか信じられない」国になってしまったように感じるなぁ。。誰も彼も自分の役割の本分を忘れて「自分の利益」のことしか考えていない。改善される兆しも見えない。

私はチャップリンの「夢と勇気とサムマネー」という言葉が大好きだが、お金なんて「サムマネー」で十分じゃないか?

この国には希望(未来)は無いのだろうか??
この本は事実を知る上ですごく良い本だったのだが、読み終わった後、かなり暗い気持ちになってしまった。。

今のところ「なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか」にコメントは無し

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