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人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)
人を動かす質問力 (角川oneテーマ21 C 171)

谷原誠氏の著書。

氏は現役の弁護士。氏が弁護士の仕事を通して実感した「質問力」の効力を、わかりやすく解説したのが本書。

「はじめに」に書かれているが、
質問は相手に強制的に特定の方向で考えさせる力を持っている
と述べられている。
これが「質問」の肝。つまり相手をコントロールできるということだ。

その「質問」の効力の以下の6つに分けて説明する構成になっているので、備忘録的に、その構成に沿ってまとめてみる。

①思いのままに情報を得る
②人に好かれる
③人をその気にさせる
④人を育てる
⑤議論に強くなる
⑥自分をコントロールする

思いのままに情報を得る

オープンクエスチョン」と「クローズドクエスチョン」を意識するのが肝。
これは頭では理解してても、実際質問するときに意識できてない。今後の課題。
あと、「5W1H」も同様。まぁ、こっちは割と意識してるかな。

また、ダメな質問のパターンも挙げられているのがありがたい。
以下の7つ。
(1)ネガティブ・クエスチョン
(2)ノー・アンサー・クエスチョン
(3)相手の答えを即座に否定する
(4)1人質問・質問の連打
(5)誤導質問
(6)相手の脳に負担をかける質問
(7)刑事の尋問

これは特に説明はいらないな。。自分がされたら嫌な質問なのだから、人にするなって話だ。

人に好かれる

心理学者のロバート・チャルディーニの「人から好意を持たれるための法則」が紹介されている。これが大変わかりやすい。
以下がその6つの要素。
(1)外見の魅力
(2)類似性
(3)賞賛
(4)単純接触効果
(5)協同
(6)連合

これは凄く納得。
「賞賛」は、例えば「そのバッグ、センスが良いけど、どこで買ったの?」という質問をすることで、”センスの良いバッグを持ってる”という前提で話を始めることで、相手の「自尊心」を満足させることができる。

「連合」は、例えば何か良いニュースを聞いた後で、別の要素の話を聞くと、その良いニュースで受けた「良い」感情と、後の要素が「連合」して、結果的に「良い」イメージを持つ、という心の働き。

「会話のティッピング・ポイント(沸騰点)」も紹介されてる。
これは会話が盛り上がるポイントのこと。
以下3つ。
(1)自信がある話題
(2)関心がある話題
(3)心地よい話題

これは当たり前のことかもしれないが、ちゃんと意識してると会話の弾み方が違うだろう。さすが弁護士。「会話」が仕事の成否を分ける職業をやってるだけある。私ももっとちゃんと意識しよ。

人をその気にさせる

人をその気にさせる2大原則が紹介されてる。

以下がその2つ。
(1)自尊心を満足させるために動く
(2)自尊心が傷つくのを回避するために動く

ポイントはどちらも「自尊心」。「プライド」と言い換えても良い。これは大人だけじゃなく子供もちゃんと持ってる。ここはしっかり意識しておく必要がある。

また、「理性」と「感情」の関係についても述べられている。
これはマーケティングやってると基本なのだが、人間が動くには、まず「感情」が動いて欲求が発生し、その後「理性」でその行動を正当化する、というプロセスをたどる
つまり、まずは「欲求」を高める質問をして、それから行動を促すよう、質問のシナリオを構成すれば良い。これが難しいんだけども。。

「仮にクエスチョン」「脅し文句」「選択肢を絞った質問で決断を迫る」「誤導質問」「希少価値の法則」「質問三段構え」「小さなイエス:質問金縛り」などは実践テクニックとして紹介されてる。
意識して使えばたしかに効力高い。

こういうテクニック使ってるから弁護士は弁論に強いんだなー、と改めて感心。

人を育てる

この章では上司が部下を如何に育てるか?が述べられている。

部下からの信頼を失ってしまう10パターンも挙げられてるが、ここに書くほどのことではないので知りたい方は本書を読んで欲しい。まぁ、「話を遮らない」とか「自慢話ばかりしない」とか「手柄を横取りしない」とか当たり前のことばかりだ。

個人的に一番タメになったのが、山本五十六氏の以下の言葉。
 「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
 「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
 「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

一番最初の言葉は有名なので知っていたが、後2つは知らなかった。この後にも2つほど言葉あるらしいが、この3つにエッセンスは集約されてると思う。

人を育てるには、「人を変えるのでなく、自分がまず変われ」ってことだ。

議論に強くなる

ビジネスでは議論に強い方が有利。ってことで、議論に勝つ方法。

紹介されてるのは簡単。「質問しろ」ってこと。「質問法」。

ソクラテスの例が紹介されているが、ソクラテスは、相手に質問することにより、相手の言質(げんち)を取り、その言質と矛盾するような結論に追い込んでゆく質問を繰り返していったらしい。質問をすることで、相手を自滅させたのだ。

まぁ、「その気にさせる」の章でも書いたように、「理性」よりもまず「感情」なので、理性的に追い込んでも、最後は感情的に反論されないよう注意は必要だが。立場が上の人間だと、最後は逆ギレってよくある話だし。

自分をコントロールする

人生で成功するための3つのルールが紹介されてる。

(1)目標の設定
(2)行動を起こす
(3)成功するまでやり抜く

必ず成功するってわけじゃないけど、たしかにこれは大事。人生じゃなくて、何かをやり遂げるときは全てこの遣り方が適用できる。小さなことでもね。

その他、自分自信に良い質問をすることで、自分をコントロールする方法が書かれている。

・・本の構成に沿って書評をまとめてみたが、概念よりもテクニック重視の本だ。
だからこそ明日からでも使えるし、そんなに難しいテクニックではないので実践は難しくない。「普段から意識」することが何より大事かな。

簡単な文章で、新書。200ページほどだしかなりお手頃。
結構面白かったし、良い買い物した。

目次は以下。

はじめに
なぜ、いま質問力が求められるのか?/なぜ、私は質問力に目覚めたのか/人生を成功に導く、質問の6つの力

第1章 知りたい情報を楽々獲得する6つのテクニック
オープンクエスチョンとクローズドクエスチョン/全てを聞き出す6つのベーシック・クエスチョンとは?/答えやすい質問をする/質問を始める前にチェックすべき4つのポイント/シャーロック・ホームズの推理質問法とは?/ダメな質問の7つのパターン

第2章 聞くだけで人に好かれる質問力
好きな人の質問には何でも答えてしまう?/人に好かれるための6つの法則/人に好かれる最強の方法は犬を真似ること/会話が盛り上がるポイントを見逃すな /「質問ブーメラン」で相手の関心を見抜く/質問する態度は言葉以上に影響を与える/クエスチョン&サイレント

第3章 その気にさせる質問力
人をその気にさせる2大原則/まずは感情を動かし、その後理性に訴えかける/人を動かす質問のシナリオを作る/説得したければ、質問を!/意見を押しつけず、相手が動きたくなるような質問をする/質問する側にまわって会話の主導権を取る/「仮にクエスチョン」で本音を引き出す/脅し文句も質問で/反論にはポジティブに応酬する/決断を迫る質問とは/誤導質問~知らない間に肯定させる禁断の技術/私もアダムに逆らえなかった希少価値の法則/必ず成果を得たい時の、質問三段構え/「小さなイエス」で相手を縛る、質問金縛りの術/「皆やっているよ」の強力なパワー

第4章 人を育てる質問力
部下を育てられない上司とは?/いい上司は、食べ物を与えず、食べ物を得る方法を与える/質問するだけで、子供が急に勉強するようになる/相手の行動を抵抗なく変えてしまう魔法の質問/上司の2つの責任とjは?/ポジティブな質問に言い換える/核心をつく質問で、自分を取り戻させる~母親の心に劇的に浸透した、看護師の質問

第5章 議論を制する質問力
人をその気にさせるのに議論をする必要があるか/ソクラテスと弁護士はなぜ議論に負けないのか/質問で、相手の価値観をこっそり変える/「そもそも流議論術」/妻に携帯を見せろと言われたらどうするか~議論における立証責任

第6章 自分を変える質問力
金持ち投資家と破産寸前の男~会社の同期2人は何が違ったのか/人生で成功するための3つのルール/7つのフィードバッククエスチョン/問題解決のための 8つのクエスチョン/短所を長所に変える逆転クエスチョン/視点を変える質問でよりよい解決策を/今すぐ自分を変えるための質問ワーク

今のところ「人を動かす質問力」にコメントは無し

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