published by よねさん

行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論
行動分析学マネジメント-人と組織を変える方法論

舞田竜宣さんと杉山尚子さんとの共著。

「行動分析学」という聞き慣れないジャンルを学ぶために手に取った本。

本を読んで思ったが、「行動分析学」は一言で言うと、
 「医学モデル」に頼らないモデル
ということなのかな?と受け取った。

「医学モデル」とは、行動の原因を考えるとき、能力が低い、やる気が無い、向上心が無い・・等々、当人の「心」の中に原因があると考えるモデル。

本でも説明されているが、このモデルで一番マズイのは「循環論」になること。やる気が無い⇒仕事が出来ない⇒なぜ仕事が出来ないやつと評価されるか?⇒やる気が無いから⇒・・後はぐるぐると回り、どこまでも抜け出せない。

結局根本的な問題の解決にならない。
それが実は一番困る。
解決すべき問題は現にあるわけだし、何も解決できないのなら、「循環論」なんて考える意味さえない。時間の無駄だ。

で、「行動分析学」はどう考える立場なのか?
発案者の考えた行動の原理で一番重要なのは
 「行動は、行動直後の結果によって制御される」
ということ。

そして、行動が「行動直後の状況の変化によって変わる」ことを、
行動随伴性(behavioral contingency)」と呼び、この「随伴性」という前提に立って、様々な改善案を考える。

この改善のための様々なフレームを解説してるのが本書の構成。

以下、自分の頭をまとめる上でも、本書で解説されてるフレームの中身をまとめてみたい。

1.好子(こうし)と嫌子(けんし)

「好子」とは良い要素、「嫌子」とは嫌な要素。

「好子」が連続して続けば、行動が「強化」される
「好子」が続かなければ、行動が「弱化」される
「嫌子」が連続して続けば、行動が「弱化」される
「嫌子」が続かなければ、行動が「強化」される

これが基本。
これ抑えとけば、「行動分析学」が理解したも当然だ!!(笑)
まぁ、そんな単純じゃないだろうけど、算数(数学)で言う「加減乗除」のようなものだよな。

で、「60秒ルール」という言葉で解説されてるが、例えば「褒める」という「好子」を与えるには、なるべく「行動の直後」にやることで「強化」が促進される。

また、「トークン(token)」で強化するのも良い。「トークン」は引換券のこと。それ自体は「好子」ではなくても、行動の「強化」につながる。

フィードバック」は先行刺激として使うらしい。一般的な「フィードバック」とは違う。たしかに、「強化」の過程を可視化すると、「行動」促す効果は高そう。これも1つの「好子」になる。ダイエット時の体重変化とかね。

なお、「嫌子」を使った行動制御は弊害も多いので、あまり使わない方が良いとのこと。

2.消去と抹殺

「消去」は行動に対して何も反応しないこと。
そうすることで、何かしら強化の随伴性が働いていた行動が減少する。
ただし、減少する前に一時的にバーストするとのこと。これ注意。爆発されると恐いので(笑)

また、「抹殺」は物理的にその行動を出来なくすること。
強引な手だが、これが何かの行動を止める一番の方法ではあるわな。。

3.シェイピングとチェイニング

シェイピング(shaping)は、「形を作る」と言う意味。
目標までのプロセスを明確にし、1つ1つ段階を設けて小さく細かく目標達成させる。
これは仕事では当たり前にやってること。

チェイニング(chaining)は鎖をつなぐ、つまり一連のプロセスのことだ。後ろから辿るのがバックワードで、通常通り前から辿るのがフォワード。
バックワードは使えそうだな。。大抵仕事って終わり近くのプロセスが一番面白いし。

どちらも行動を習慣化させるためのフレーム。

4.先行刺激

「行動分析学」では行動の直後の結果によって制御されるという前提に立つとは言え、行動する前の条件により行動が変わることも当然ある。

これが「先行刺激」。まぁ、当たり前の考えだよな。
信号が赤だったら止まるし、青だったら進む、青から黄に変わる瞬間だったら・・私ならやっぱり進む(笑)。

5.プロンプト(代替行動)

行動が満足いく頻度や強度で起こらなければ「強化」すればいい。行動がまったく出来なければ、まずは「シェイピング」や「チェイニング」で作り上げる。では、行動そのものは出来るが、適切なタイミングで、必要なときにできない場合は??

そんな場合は「プロンプト」。これも刺激制御。
プロンプトのタイプは言語/身振り/モデル/身体と分かれる。
ケース・バイ・ケースで使いこなし、しだいにプロンプトを消しても行動が起こるようにしていけばいい。

・・と、とりあえずまとめてみた。

他にも別の概念あったが、ここに記載するほどではないと思ったので書いてない。当たり前に実行してることに名前を付けただけ、という概念もあったし。ただ、それを「意識」化して「行動分析学」として定義/言語化することはやはり意味がある。

結構奥が深いな、「行動分析学」。

会社の中ではこの役割持ったプレイヤーは「人事」にあたるらしいが、別に1社会人としても使えるフレームだ。今後活用出来そう。

まぁ、本の事例は単純すぎて、ちょっと嘘くさかったけど(笑)、入門書としてはすごく読みやすかった。

なかなか何かのきっかけがあって、「よし!行動分析学を学んでみよう!!」というシチュエーションにはならない気がするが、このブログ読んで少しでも興味持ってもらえたら、読んで損は無いことは断言しておく。

以下は目次。

序章 今こそ組織・人材マネジメントに「行動の科学」を
第1章 褒めてやらねば、人は動かず―好子による強化と弱化
第2章 鬼の上司が会社を伸ばす?―嫌子による強化と弱化
第3章 ネガティブ社員はこう扱え―消去
第4章 活発な職場を取り戻す―復帰
第5章 上手な褒め方、無意味な褒め方―強化スケジュール
第6章 「頑張れ」というだけでは業績は上がらない―課題分析
第7章 ハイ・パフォーマンス集団の作り方―シェイピング
第8章 「勝ち味」を覚えさせよ―チェイニング
第9章 裏表のない組織を作る―刺激弁別
第10章 お互いの悪い癖を直す―プロンプト、代替行動
第11章 表彰制度はこう変えよ―好子の種類
第12章 フィードバックで新人を育てる―フィードバック
第13章 マンネリが組織を不活性化する―確立操作
第14章 過去の自分と決別する―自己強化と抹殺法
第15章 「苦手な顧客」の克服法―レスポンデント条件づけ
第16章 コンプライアンスを高める―ルール支配行動、トークン
終章 伸び続ける会社を作る

今のところ「行動分析学マネジメント」にコメントは無し

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