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異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)
異端の数ゼロ――数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念 (ハヤカワ文庫NF―数理を愉しむシリーズ)

チャールズ・サイフェ氏の著書。

ゼロについての歴史、および数学、物理学、量子力学に与えた影響を解説した本。

歴史では、単なるゼロについての歴史だけではなく、宗教、哲学にどんな影響を与えたかという横軸の話も踏まえ、その上で縦軸に一本「ゼロ」という軸を通して一気通貫させている。自分は1つの話を深堀りするのも好きだが、こういう複数のジャンルの話を織り交ぜて、その上で軸を突き刺す本が大好きなので、大変面白く読ませてもらった。

さて、ゼロについてだけど、インドで生まれたってのは有名な話。エジプトで十進法が生まれてギリシャに伝わり、ギリシャからマケドニアの王アレキサンダーがインドまで侵攻したことで、その文化がインドへ伝わり(その間にヨーロッパではギリシャ⇒ローマに移行)、インドでゼロの概念が数字と統合し、それが今のイラン/イラク(イスラム)に伝わり、イスラムの逆侵攻でヨーロッパに伝わったのがアラビア数字。アラビア数字と言いつつ、結局インド数字じゃんとか思ったり。

ゼロ伝播は上記の通りだったとして、しかし結局は宗教が足かせになってゼロ概念が普及しなかったというのが面白い。というか、昔のヨーロッパ人って愚かだなーと普通に思う。アリストテレスの呪いというか。「ゼロ」と「無限大」を認めれば済む話。もう、ほんとそれだけの話だ。もう少し早く認めてれば、数学にしろ物理学にしろ量子力学にしろ、今頃もっと進歩してただろうに。。

ゼノンのパラドックスの解決策、要するに「無限大=極限」って概念を認めて、それを数式に落とし込んだだけ、ってのが結構目から鱗。それだけの話か!?概念は何も変わってなくて、数式に落とし込めれば良いだけ?目から鱗が何枚か落ちたけど、それ以上に拍子抜けした。だって、限りなくゼロに近いから=「ゼロ」にしましょって話でしょ?まぁ、ゼロ&無限大を取り扱えるようになったのは確かだけど、根っこの部分は何も変わってないような。。

本の中で微積分についても扱ってるけど、微分の考え方は、要するにアナログ⇔デジタル変換みたいなものなのかな。。積分は曲線の面積求める公式ってのは何となくわかるのだが。。

うーーん。。微積分も良い機会だったので理解してみようと思ったが、今回も挫折。今までよりは手ごたえあったけど。何か頭の中で上手く体系化しない。後一歩な気はするのだが…まぁ、次に期待しよう。

で、無限大/ゼロを認めることで、それを物理学へ拡張すると相対性理論になって時空⇒重力⇒ブラックホールという概念に結びつき(…概念じゃなくて実際にあるらしいけど、どうにもブラックホールは信じられない。時空の穴?何それ?「厳密な意味でゼロを解決出来てない数学=空想の産物」と考えてる自分としては、所詮SFでしかない)、そして量子力学のゼロ点エネルギーへ。というか、ゼロ点エネルギーって何?これも全く意味がわからない。真空内には極小の粒子エネルギーがあって、宇宙中のエネルギーかき集めるとドえらいエネルギーになる…という話なのか?

「時空の穴」にしろ、穴同士がつながった「ワームホール」にしろ、さらに”粒子じゃないやい、ひもなんだい”という「ひも理論」に至っては、おまえら正気か??と頭を疑いたくなる。10次元だぁ??

別に数学者が頭がおかしいとは思わないが、数学というのは「ゼロと無限大を全く解決できてない」ことが、この本を読んでよくわかった。そして、そんな怪しい理論を元にさまざまなモノが作られている現代の文明は相当怪しいモノだってことも。まぁ、それが手に取り、体感できる形になれば当然享受はするけど。怪しいから受け入れないってほど、俺は真面目じゃない。基本いい加減な人間なので。

数学がいい加減なものということもよくわかった。だったら最初からそう教えろよ、とも思う。そうしないと厳密なものだと勘違いする人も出てくるし、「数学=神」なんて考えるバカもいつまでも量産される。それは現在の数学者が責任持って止めるべきだと思うんだけどねぇ。

けど、複素平面上のリーマン球の概念は面白かった。ゼロと無限大が球面の北極と南極に当たるってのが面白い。それに、放物線は焦点を無限に拡張した楕円って考え方も。この辺り、やっぱり数学って面白いなー。

数学に対する「距離感」を図る上では、最高の本。
久々に鱗ボロボロ落ちました。

以下は目次。

第0章 ゼロと無
第1章 無理な話――ゼロの起源
第2章 無からは何も生まれない――西洋はゼロを拒絶する
第3章 ゼロ、東に向かう
第4章 無限なる、無の神――ゼロの神学
第5章 無限のゼロと無信仰の数学者――ゼロと科学革命
第6章 無限の双子――ゼロの無限の本性
第7章 絶対的なゼロ――ゼロの物理学
第8章 グラウンド・ゼロのゼロ時――空間と時間の端にあるゼロ
第∞章 ゼロの最終的勝利
付録A
付録B
付録C
付録D
付録E
訳者あとがき

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