published by よねさん

アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書)
アップル、グーグル、マイクロソフト クラウド、携帯端末戦争のゆくえ (光文社新書)

岡嶋裕史氏の著書。

この人の本は、今まで「暗証番号は何故4桁なのか?」や「ウチのシステムは何故使えない」を読んだことがある。理系の人だからか、大変理路整然としていて読みやすい。

で、そんな氏が今回扱っているのが「クラウド」サービス。
これは嬉しい誤算。実は本屋で手にとったとき、アップルやグーグルの今後の戦略がわかるかな?とあまり深く考えず、目次もほとんど読まずに購入した。「クラウド」はいつかちゃんと学ぼうと思っていた概念だが、その「クラウド」がメインの本だとは全く思ってなかったのだ。

いやー、期待してなかっただけに、読後の気分は素晴らしかった!!!
「クラウド」の概念が、第1章と第2章を読んだだけで、ほぼ理解できたのだ!!

さて、まずは目次。

まえがき
1章 クラウドとは
2章 クラウドの古さと新しさと主要企業
3章 マイクロソフトの戦略 ウィンドウズアズール
4章 グーグルの戦略 グーグルアップエンジン
5章 アップルの戦略 iTunes
6章 クラウドでも出遅れた日本

「クラウド」を理解する上で重要な概念が3つある。
それが以下の3つ。

  1. IaaS(Infrastructure as a Service) – 「ハードウェア」層のみ外部サービス化
  2. PaaS(Platform as a Service) – 「ハードウェア」「基本ソフト」層を外部サービス化
  3. SaaS(Software as a Service) – 「ハードウェア」「基本ソフト」「応用ソフト」層を全て外部サービス化

何がわからないって、この概念が全く意味がわからなかった。そもそも本書でも扱っている通り、このネーミングセンスの無いこと!!(笑)なんじゃい、このわかりづらい単語は!?しかし、理解すれば何てことはない、「ハードウェア」「基本ソフト(OS)」「応用ソフト(アプリケーション)」3階層の組み合わせ方が違っただけ。

「クラウド」の本質は、本書の以下の言葉に現れている。

どこで産み出されているかはわからないが、どこででも受け取ることができる。おそらく、これがクラウドの本質である。

この本質を実現するサービスが「クラウド」で、「IaaS」だの「PasS」だのはそのための手段、選択肢でしかない。

最近やたらと「クラウド」がもてはやされているが、何故か日本の会社が語る「クラウド」に、異様な胡散臭さを感じていた。この本読んでその理由がやっとわかった!!

「IaaS」「PaaS」「SaaS」の中で、一番「クラウド」の本質に近いのが「PaaS」。しかし、日本の会社でこの「PaaS」を実現できる(産み出せる)会社が存在しないのだ(「扱える」会社はこれから増殖するだろうけど)。

「PaaS」を実現できるのは、今のところ本書で扱っている「グーグル社(Google App Engine)」と「マイクロソフト社(Windows Azur)」の2社しかない。あと、可能性あるとしたら「Linux」陣営か。。これは特定の会社じゃなくて、Linuxのコミュニティから、クラウドに対応したOSへ進化するのを待つしかない。もっとも、「Google App Engine」はLinux上でも動くミドルウェアなので、わざわざLinuxを進化させる必要は無く、この2社のみで「PaaS」市場を独占する可能性は高いのだけど。。

「Apple社」の「iTunes」はマーケットプレイス。本書では、一応上記2社と同列で扱われている。もっとも、MacOSは持ってるが「PaaS」を実現できる会社ではないし、そのつもりも無いだろう。ただし、水道局にはならなくても蛇口の元栓にはなれる。「iPhone」を有する「Apple社」にはその資格が十分ある。また、この4月に「iPad」も投入されたばかり。こちらは今後日本でもどう普及するのかが楽しみ!また、AppleTVの方向性も、3スクリーン(パソコン、携帯、テレビ)の1軸を抑える狙いがあるだろう(既に「iPhone」で1軸抑えているしね)。AppleTVは正直使い勝手が悪くて、今のままでは家庭の標準STB(セットトップボックス)には成り得ないが、今後どう発展するか・・、こちらも楽しみだねー。

今後「グーグル社」と「マイクロソフト社」の主導権争いはめちゃ過酷になるだろうな。。
「オンプレミス(マイクロソフト)」VS「クラウド(グーグル)」。まぁ、共存するサービスなので、どちらかが勝ったら他方が無くなるってことじゃなく、「どちらのシェアをより大きくするか」の争いになるだろう。傍観者になるしかないのが悲しいところ。当事者だったら、大変だけど面白いだろうなー。まぁ、私は当然グーグル寄りの立場だけど(笑)

さてさて、一転して我らが日本企業だが。。。

結局日本の大手SIerが言ってる「クラウド」は「IaaS」なんだよなー。あるいは「SaaS」か。「SaaS」の場合、要するにワンパッケージソフトなので、単なるネットサービスだ。それと「IaaS」も、分散コンピュータなど昔からある技術だし、今さらな話。Platform(OS)層で共通化できなければ、自前でサーバ持ってようと外部化しようとも、コストはあんまり変わんないじゃん。ハードウェアだけだと、24/7でサービスしてるサーバの増減をスムーズに行えないしね。

しかし、この本を読んで、今後を想像すると本当にワクワクした!!!
面白くて面白くて一気に最後まで読めた!!!

・・・そして、読み終わった後、ちょっとだけ悲しくなった。

私は現在IT会社に勤めているが、情けないことに一番弱いのがIT部署。対応スピードが呆れるくらい遅いのだ。この本で出てくるような他会社は新幹線で動いているのに、自分だけ歩腹前進してる気分だ。。

あぁーーー!!!こんなスピード感でダイナミックに仕事してぇーーー!!

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